明治安田J1リーグ第8節の2日、ヴィッセル神戸は敵地のニッパツ三ツ沢球技場(横浜市)で横浜FCと対戦し、エリキの2戦ぶりゴールで1-0で破った。神戸は2戦ぶりの勝利で通算2勝3分け2敗、勝ち点9とした。
苦しむ神戸に今季2勝目をもたらしたのは、またもエリキだった。後半29分、ゴール前でこぼれ球に抜け出すと、GKの股を抜いて値千金の決勝点をマーク。救世主は「勝利に貢献できてうれしい。自分はいいタイミングでいい所にいれただけ」と笑みを浮かべた。
チームは決め手を欠き、じりじりと時間が過ぎていた。前半終了間際、扇原のFKを起点に、宮代が混戦で振り向きざまに左足を振ってゴールに突き刺したが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認でオフサイドとされた。
そんな中、後半21分から途中出場したエリキが10分足らずで答えを出した。今季開幕後に加入し、2得点で初勝利に導いた先月の湘南戦と同じく、ゴール裏のサポーターへ一目散に駆け出した。
ボールを保持しながら時折鋭いカウンターを浴びたが、GK前川の好セーブや両センターバックの決死の守りでピンチの芽を摘んだ。試合終了間際には逆にVARに助けられた。相手FKから横浜FCのユーリが倒れ込みながら折り返し、混戦からゴールに吸い込まれた。だが、得点は長いチェックの末にオフサイドで取り消された。
前節の鹿島戦は相手の対策を意識するあまり、酒井は「武器をなくしながら新しいことを模索している」と指摘していた。原点回帰の一戦で快勝とはいかなかったが、新戦力が白星に導いた。(井川朋宏)