神戸-広島 後半、神戸のエリキがヘディングで先制点を決める(撮影・中西幸大)
神戸-広島 後半、神戸のエリキがヘディングで先制点を決める(撮影・中西幸大)

 明治安田J1リーグ第5節最終日の2日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でサンフレッチェ広島と対戦し、エリキの得点で1-0で破った。2戦ぶりの白星で12勝4分け6敗の勝ち点40とし、首位鹿島と勝ち点1差の3位に浮上した。アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)などの影響で変則日程となった。

 昨季の1、2位がぶつかった互角の試合で、広島のゴールをこじ開けたのは神戸の救世主だった。3月に町田から期限付き移籍したエリキが後半、値千金の決勝点。5試合ぶりの先発でチャンスをものにし、「全員がハードワークした結果が僕のゴールにつながった」と味方に感謝した。

 無得点ドローに終わった福岡戦から中3日で先発3人を入れ替え。押し込まれた序盤をしのぐと、流れをつかみ始めた後半、神戸が先手を打った。16分、「勝つためにチームに活力をもたらす」と広瀬が左ウイングに入った。

 「狙い通り、攻守でいいリズムになった」(吉田監督)と推進力を高めた5分後。宮代のクロスをゴール前の佐々木が胸で収めて浮き球パスを送り、フリーのエリキが頭でたたき込んだ。

 残り10分を切ってDF2人を投入し、最終ラインを5枚で固めて逃げ切りに成功。最後のヘディングシュートはGK前川が好反応で阻み、2戦連続無失点に封じた。

 前線の大迫、武藤、ジェアンパトリッキらが離脱し、状況はけが人が相次いで苦しんだ序盤戦に近い。それでも代わった選手が役割を果たし、総力戦で上位対決を制した。「監督、仲間を信じて全力で練習を続けてきた。勝ち点6ぐらいの価値がある」とエリキ。後半戦に入り、ついに首位に肉薄した。(井川朋宏)