兵庫県姫路市出身で元サッカー日本代表の播戸竜二さん（４２）が、２０日から全国公開される映画「孤狼（ころう）の血　ＬＥＶＥＬ（レベル）２」で俳優デビューした。広島を舞台に刑事とやくざが死闘を繰り広げる同作で、賭場で真剣勝負する男の役を演じた。ＪＲ姫路駅前の複合映画館「アースシネマズ姫路」でこのほど開かれたトークイベントに里帰り出演し、オファーのきっかけや白石和彌（かずや）監督との撮影を振り返った。（地道優樹）

　播戸さんは姫路市香寺町出身。琴丘高校からＧ大阪に入団し、ヴィッセル神戸やセレッソ大阪など複数のクラブでフォワードとして活躍した。２０１９年に引退した後も、解説者やＪリーグ特任理事として活動する。

　今回俳優デビューを飾ったのは、１８年公開の「孤狼の血」の続編。暴力組織の抗争で殺害された刑事・大上（役所広司）の後を継ぎ、裏社会を取り仕切っていた刑事の日岡（松坂桃李）が、刑務所から出所した最凶の暴力団組長・上林（鈴木亮平）によって窮地に追い込まれていく－というストーリーだ。

　トークイベントでは東映の紀伊宗之プロデューサーらと登壇。紀伊さんは、以前から友人だった縁もあって播戸さんを起用したと明かした。播戸さんは初めて臨んだ撮影現場の印象について「ピンと張り詰めた空気で、『命をかけて作品を作るぞ』というスタッフの思いがひしひしと伝わってきた」と振り返った。

　今作で播戸さんが演じたのは賭場の勝負師役。出番としては数秒だが、胴元の男をギロリとにらみながら金を置く演技で印象を残した。昨年秋の撮影で白石監督から「ゴールを狙う目で見てください」と演技指導を受けたエピソードも披露し、「僕も現役時代は獲物を狩るような気持ちでやっていた。演技に少しは生きたのかな」とはにかんだ。

　賭場のシーンについて紀伊さんから「姫路では今もあるんじゃないの？」と振られると、「あんまりアウェーに来た感じはなかったですね」とおどけて会場の笑いを誘った。イベントには元兵庫県警の飛松五男さんや、芸人の今井らいぱちさんも途中から参加し、トークを盛り上げた。