サッカーの天皇杯全日本選手権は16日に3回戦があり、J1ヴィッセル神戸は、甲府市のJITリサイクルインクスタジアムでJ2ヴァンフォーレ甲府と対戦し、延長戦の末に2-1で破った。
0-1のまま迎えた後半追加タイム7分。敗戦の瀬戸際で王者が踏みとどまった。神戸はゴール前で岩波がクロスを押し込み、起死回生の同点弾とした。さらに延長前半、エリキのゴールで勝負あった。
強い雨脚の中、死闘を尽くしたイレブン。吉田監督は「ここで負けるわけにはいかなかった。トーナメントは勝つことが一番大事」と語った。
直近のリーグ戦から中10日で先発10人を入れ替えた神戸。前半は前線へのボールが寸断され、フィニッシュに至らず。後半の序盤にたまらず山川、佐々木を投入した。だがその直後、虚を突かれた。DFの裏に縦パスを通され、鮮やかなボレーで先制点を許した。
だが、そのままでは終わらなかった。後半23分、先制点を決めたFW内藤が2度目の警告で退場。数的優位に立った神戸は主力のエリキらを相次いで投入し、何度も決定機をつくって最後のチャンスをものにした。
連勝を飾った5日のリーグ戦から中10日。指揮官は「普段試合に出ていない選手がチャンスをつかみ、チーム内に競争ができれば」と話していた。今月J2秋田から加入したFW小松もいきなりデビューし、フル出場で勝利に貢献した。
「一人一人が覚悟を持ってプレーすれば、結果もついてくる」とGK新井。120分の総力戦をものにした。(井川朋宏)