明治安田J1リーグ第25節第2日の10日、ヴィッセル神戸は敵地GIONスタジアムで町田ゼルビアと対戦し、0-2で敗れた。連勝は3で止まって8試合ぶりの黒星となり、首位から3位に陥落した。
視界を遮るほど土砂降りの雨となった敵地で、神戸が洗礼を浴びた。波に乗る町田の勢いにのまれて苦杯。黒星も複数失点も8戦ぶりで、前節初めて立った首位の座も鹿島に明け渡した。
日本代表経験者の個の力で、前半に痛い2発を浴びた。6分、ロングスローのクリアを、町田の元日本代表MF中山に左足ミドルシュートで右隅に突き刺された。36分には、7月の東アジアE-1選手権で活躍したFW相馬が左サイドから切れ込んで右足を振り抜き、ミドルで右上へ。ここしかないというコースに決められ、「攻守に強烈」と警戒していたGK前川もなすすべがなかった。
3週間ぶりのリーグ戦。前半に「自分たちの陣地から抜け出せない時間が続いたのが結果につながった」と吉田監督。球際やこぼれ球の争いで上回れず、長短ともに効果的なパスが通らず。神戸から今季完全移籍したDF菊池ら相手守備陣の気迫に押された。
後半13分には負傷明けのFW大迫を投入。5月31日以来のリーグ復帰戦となったエースはしぶきが上がるピッチで奮闘したが、元日本代表GK谷に阻まれるなど、最後まで堅守の相手をこじ開けられなかった。
序盤の苦戦から今夏に浮上したが、一筋縄でいかないのが混戦のJリーグ。過密日程となる今後、3連覇に向けて熾烈(しれつ)な戦いが続く。(井川朋宏)