引き分けに終わり、スタンドにあいさつしながら厳しい表情を見せる大迫(中央)ら神戸イレブン(撮影・丸山桃奈)
引き分けに終わり、スタンドにあいさつしながら厳しい表情を見せる大迫(中央)ら神戸イレブン(撮影・丸山桃奈)

 明治安田J1リーグ第34節第1日の17日、ヴィッセル神戸は、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で首位の鹿島アントラーズと対戦し、0-0で引き分け、18勝7分け9敗の勝ち点61とした。

 無情なホイッスルが鳴り響いた。神戸は、首位鹿島の堅守を最後までこじ開けられず。勝ち点5差で追い、勝利が必須の神戸が引き分け。平日夜に集まった2万6千人近くを沸かせることはできなかった。

 開始からエンジン全開で、序盤は圧倒した。ロングボールを駆使して前進し、敵陣で迫力を持った攻撃を展開。前半3分には、宮代のクロスに合わせた大迫が、GKの至近距離でシュートを打つも阻まれた。27分には、欠場の酒井に代わって右サイドバックに入った飯野の好クロスに、フリーの宮代が右足で打ったがミートしなかった。

 35分には好機に絡んでいたエリキが負傷交代し、復帰明けの佐々木が2カ月ぶりに出場。後半も好機を重ねたが、日本代表GKの早川が立ちはだかった。だが相手は引き分けでも十分な状況で、均衡を破れないまま、じりじりと時間だけが過ぎた。

 鹿島の強力な前線を警戒し、「肉弾戦でバチバチの戦いになる。冷静さを失わず、全員が攻守でやるべきことをするのが一番」と指揮官。守備では体を張って最後まで守ったが、得点が遠かった。昨季連覇を遂げ、大迫は「僕らは積み重ねてきたものがある。おのおのが得たものをピッチで表現できるか」と言う。状況は厳しくなったが、残り4戦で少ない可能性に懸けるしかない。(井川朋宏)