G大阪-神戸 前半、相手とボールを奪い合う神戸の広瀬(右)=撮影・吉田敦史
G大阪-神戸 前半、相手とボールを奪い合う神戸の広瀬(右)=撮影・吉田敦史

 明治安田J1リーグ第36節最終日の9日、ヴィッセル神戸は、大阪・パナソニックスタジアム吹田でガンバ大阪と対戦し、1-1で引き分けた。2戦を残して首位鹿島と勝ち点7差となり、3連覇の可能性が消えた。4戦未勝利で、18勝9分け9敗の勝ち点63となった。

 終了の瞬間、ピッチにずぶぬれのイレブンが倒れ込んだ。この日も最後に追いつくのがやっとだった。

 0-0の後半35分、中盤でボールを奪われると、パスをつながれ、交代出場直後のMF奥抜に左隅へ突き刺されて失点。諦めない神戸は後半44分、ロングボールを起点に、武藤の頭でのパスに、佐々木が豪快に右足ボレーを決め、同点に追いついた。負傷から復帰し「ハードワークをしてゴールを」と前日に語っていた通り、4カ月ぶりの得点で役割を果たしたが、及ばなかった。

 神戸は公式戦で5戦ぶりに勝った直近のアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の蔚山(ウルサン、韓国)戦から、両サイドバックと両ウイングを入れ替え。後半途中から佐々木、酒井、ジェアンパトリッキを相次いで投入した。後半30分ごろには、ペナルティーエリア内でG大阪の食野が倒れ、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の結果、PKなしの判定に。この直後、控えのGK東口が退場処分。場内が騒然とする中、瞬く間の速攻で失点した。

 引き分け以下なら3連覇が途絶える一戦に、神戸の吉田監督は「ほかの結果は関係ない。勝たなきゃ始まらない」と目前の一戦に集中。だが思いは実らず、佐々木は「チームはまとまって軌道修正し、成長してきたが、一歩及ばず悔しい」と唇をかんだ。