兵庫県警朝来署青倉駐在所(同県朝来市物部)に勤務する安達弘巡査部長(38)の仕事を、妻の奈津美さん(36)が趣味の絵でサポートしている。警察官をイメージしたイラストを使って防犯・交通安全の小道具を手作り。奈津美さんは「趣味で続けている絵が防犯の役に立つのであればうれしい。目立つ絵なので、何これ、と目にとめてもらえたら」と話している。(竜門和諒)
奈津美さんが弘さんの仕事をサポートするようになったのは、2016年3月に県警有馬署(神戸市北区)から同駐在所に転勤してしばらくしたころ。近くの中川小学校(朝来市桑市)の児童が見学に来ることになり、弘さんが駐在所の仕事を紹介する絵の制作を奈津美さんに頼んだという。
その後も、弘さんがこども園や小学校に防犯講話で出掛ける際は紙芝居などの小道具を作り、地域に回覧する「駐在所だより」にもイラストをあしらうようになった。弘さんは「文字だけでは伝わりづらいことでも絵があれば印象に残りやすく、子どもに話す際には特に助かっている」と話す。
駐在所の入り口のガラスには、季節に合わせてクリスマスツリーや雪だるまなどの絵が描かれ、地域でも認知されるようになった。
朝来署は啓発活動の一環でこのほど、詐欺被害の啓発ポスターを奈津美さんに依頼した。「還付金」や「料金未納」の電話に慌てる高齢女性に対し、オリジナルキャラクター「あおくら君」が、但馬弁で「~だから」を意味する「だしけ」を使って注意を促す。絵がシンプルで文字も少なく、目立つレイアウトだ。
市内の金融機関や無人現金自動預払機(ATM)など約50カ所に掲示。弘さんは「いざという時に思い出してもらい、被害を未然に防げれば」と話している。
