兵庫県香美町出身の秋田県立角館(かくのだて)高校1年中村祐希さん(16)が、2月に開かれた全国高校スキー大会(長野県)女子大回転で8位入賞を果たした。全国のライバルたちを前に物おじしない滑りを見せ、1年生の中ではトップの成績を収めた。中村さんは「入賞を狙っていたので満足している。次への弾みにしたい」と話している。(金海隆至)
同町村岡区出身。国体選手だった両親の影響で2歳からスキーを始めた。地元のハチ北高原スキー場を拠点とするジュニアチームで練習に励み、村岡中学時代から活躍。全日本スキー連盟の国内強化指定選手にも選ばれ、昨春からは親元を離れて、全国屈指の強豪高に進学した。
今大会初日(7日)の大回転では、持ち味のスピードを生かし、最短距離を狙ったライン取りで果敢に攻めた。1本目で7位に入ると、コースが荒れる2本目でも19位に踏みとどまり、合計タイムで8位に食い込んだ。「目の前の一本一本に集中して、攻める姿勢を貫けた」と満足そうに振り返る。
新型コロナウイルス感染防止のため無観客で開催された会場には、父智彦さん(46)が車中で待機。次戦の会場へと送り届ける道中、帰省した昨夏以来となる会話をかわした。「滑り終えたレースを的確に分析して語る姿に成長を感じた。精神的にたくましくなり、この結果がまた自信になるはず」と目を細める。
3月にはシニア最高峰の全日本スキー選手権にも初めて出場する。両親も出場できなかった夢舞台。現在は他の大会を転戦しながら調整に専念し、「自分の滑りができたら結果は付いてくる」と意欲を見せる。
