但馬の小京都ともいわれる兵庫県豊岡市出石町の城下町で10月1~3日、着物を着てまち歩きをするイベント「いずしできもの」が開かれる。新型コロナウイルスの感染拡大でイベントの中止が相次ぎ、着物を着て出掛ける機会が減ったり、自粛ムードで着物を控えようという気持ちになる人が増えたりしている中、豊岡市と同県香美町の呉服店の女性店主3人が、着物ファンに集ってもらえる場を提供する。(石川 翠)
企画したのは、「小さなきもの屋ふらり」(同市出石町田結庄)の斉藤愛織(あおり)さん(29)と、斉藤さんの母親で「趣味の呉服 ゆうき」(同市庄境)の金井理恵子さん(54)、「きもの おかだ」(同県香美町香住区香住)の岡田いち子さん(52)。
毎年秋に開かれていた「出石藩きもの祭り」や「永楽館歌舞伎」が2年連続で中止になり、着物姿で出石を訪れる機会が減ったほか、自粛ムードの広がりもあって、「こんなときに着物を着ていいのか」など、着用を控える顧客の声も聞いたという。なんとか、着物ファンが着用しやすい雰囲気をつくろうと、9月に「みんなで着物プロジェクト」を立ち上げ、写真共有アプリ「インスタグラム」を使った情報交換などを進めてきた。
今回のイベントはプロジェクトの一環。期間中、そばや出石焼の店など協賛の11店で使える割引券(100円分5枚)付きのまち歩きマップを配布して、まちを巡ってもらう。
「旅籠(はたご)西田屋」(豊岡市出石町田結庄)で大島紬(つむぎ)の鑑定会や、「木草履」の台と鼻緒を選んではめ込んでもらう実演販売なども行う。同市の写真館が協力する撮影会(有料)では、出石城跡を背景に着物姿を記念に残せる。
各日午前10時からで、西田屋かふらりで受け付けをして、自由に行動する。
斉藤さんは「出石だと着物を着ていても景色になじんで歩きやすい。着物ファンの方にはこの機会にぜひ歩いてほしい」とアピール。金井さんは「人の流れが出て、出石のまちも活気づけば」と話している。
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