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釣り人に港湾施設の適正な使用を呼び掛ける張り紙。県新温泉土木事務所と但馬漁協柴山支所の連名となっている=柴山港
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釣り人に港湾施設の適正な使用を呼び掛ける張り紙。県新温泉土木事務所と但馬漁協柴山支所の連名となっている=柴山港
禁止掲示の撤回後、岸壁で釣りを楽しむ人たち=柴山港
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禁止掲示の撤回後、岸壁で釣りを楽しむ人たち=柴山港

 山陰屈指の漁港として知られる柴山港(兵庫県香美町香住区沖浦)で、各地から訪れる釣り人のマナーの悪化が問題になっている。岸壁に車を止めて釣り場を確保し、ごみや餌などを放置して帰ることもあるため、港湾施設を使用する漁業関係者が「船舶の係留や荷揚げ作業の妨げになっている」と反発。両者の間でトラブルも起きているという。11月のズワイガニ漁解禁を控え、港湾管理者である県新温泉土木事務所と、但馬漁協柴山支所がマナーの順守を呼び掛けている。(金海隆至)

 柴山港は、入り江にある地形を生かした但馬唯一の避難港で、日本海が荒れた場合に航行中の小型船舶が避難できる。湾内の波は穏やかで、釣りスポットとしても人気を集めてきた。現在は週末を中心に、アジやアオリイカなどを狙って釣り糸を垂れる愛好家や家族連れらの姿が見られる。

 ところが、県や但馬漁協柴山支所によると、近年、釣り人のマナー悪化が目立つように。ごみを港内に投棄するほか、アミエビなどの餌を放置していくため、餌を求めて集まったスズメバチに刺されて病院に搬送された漁業関係者もいるという。また、漁船が入港して接岸する際には、釣り人が竿(さお)を出したまま移動せず、漁業者との間で口論も起きている。

 そのため、対応に苦慮した同支所は今年9月、「港内での釣りを全面禁止する」という張り紙の掲示に踏み切った。しかし、県の条例上、船荷を揚げる岸壁は公共スペースである点を踏まえ、県新温泉土木事務所が「漁業者の使用を妨げない限り、釣り人も自由に利用できる」と判断。今月上旬、同支所と話し合い、掲示を撤回した。

 同事務所と同支所は新たに、①ごみを投棄せずに持ち帰る②建屋内へ侵入しない③船舶の係留や荷揚げ作業の邪魔をしない④迷惑駐車をしない-と掲示文を変更して注意喚起している。

 同事務所の名越裕剛管理課長は、港湾施設の使用の妨げは条例でも禁止されているとして、「今後も妨害の事実が確認されるようなら、次のステップへの移行を考えたい」とする。

    ◇

 柴山港での釣り禁止は但馬の漁港でも珍しい呼び掛けで、地元でもこの間、賛否両論の意見が聞かれた。

 釣り歴50年を超える男性は「弁当殻や餌を入れるビニール袋だけでなく、おむつを捨てる人もいる」と釣り人のマナー悪化を嘆き、「私はかつて釣りの師匠にいろいろなことを教わったが、その時だけ楽しめたら良いという人が多いのでは」と苦言を呈す。

 一方、同町香住区で釣具店を営む上田省三さん(74)は「波止場は釣りの初心者にも安全で、締め出しはかわいそう。観光客には食べ物以外のレジャーも提供できないと遊びにきてもらえない。民宿や旅館も困るだろう」と話した。

 柴山港を愛する釣り人も現状を深刻に受け止める。

 禁止の掲示が撤回された直後の今月10日、姫路市から訪れた20代の会社員男性は、年に4、5回、同港で釣りを楽しむといい、「自分が一番好きな釣りスポットなので、禁止が続くのは悲しい」と話し、「ごみや余った餌はきちんと持ち帰りたい。こちらは趣味だが、漁業関係者は仕事で港を利用している。邪魔をして嫌われないように注意しなければ」と語った。

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