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製造の全工程を理解し、現場に立つ佐賀建斗さん=朝来市石田
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製造の全工程を理解し、現場に立つ佐賀建斗さん=朝来市石田
父の正明さん(左)と協力し、製造から経理、営業もこなす佐賀建斗さん=朝来市石田
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父の正明さん(左)と協力し、製造から経理、営業もこなす佐賀建斗さん=朝来市石田
ぽんせんの乾燥機(奥)から出火し、工場2棟が全焼した=2019年12月(マルサ製菓提供)朝来市石田
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ぽんせんの乾燥機(奥)から出火し、工場2棟が全焼した=2019年12月(マルサ製菓提供)朝来市石田

 60年続く銘菓「ぽんせん」を守ろうと、2019年に工場を焼失した兵庫県朝来市石田のマルサ製菓が、クラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。約1年間休業し、焼失を免れた一部の機材で操業を再開したが、製造規模は火災前と比べて3分の1程度に減少。同社社長の長男で大学生の佐賀建斗さん(20)が、「自分がやるしかない。多くのお客さんが待っている」と、休学して復活へ奔走している。(竜門和諒)

 ぽんせんは、小麦粉としょうゆの素朴な焼き菓子。味は、しょうゆベースに加え、岩津ねぎ入りやサラダ塩味など計7種類がある。マルサ製菓は1960年に大阪市で創業。製造に適した澄んだ空気と水を求め、91年に朝来に移転した。

 同社は、専用工場2棟で、両親と従業員の計4人が毎月約45万枚を製造していた。しかし2019年12月、乾燥機から出火し、工場と機材の大半が焼失した。

 佐賀さんは当時、大学1年。社長で父親の正明さん(53)から「大丈夫やから」と言われ、大阪府内で1人暮らしを続けた。会社は残った焼き機を修理し、安価な乾燥機を購入。20年10月に3種類で再開した。

 しかし今年5月、母親の加純さん(51)が運転中に脳出血で倒れた。命は取り留めたが、復帰は容易ではない。佐賀さんは休学を決め、加純さんが担っていた経理や発注、営業を担当。粘り強く交渉して値下げには応じず、製造方法も短期間で身に付けた。

 「ぽんせんは復活しないのか」「闘病中の母が、最後にぽんせんを食べたいと言った」-など、客のメッセージに励まされた。

 しかし一度途絶えた注文は戻らない。まずはぽんせんを知ってもらうため、6月に会社のツイッターを開設。すると、半年弱でフォロワー数が約1万2千人に急増した。口コミも広がり、取引のない東北や九州の問屋から発注も来た。

 CFでは、生産体制を充実させようと、必要な機材の購入を目指す。CFサイト「キャンプファイヤー」で11月末まで寄付を募っている。目標は300万円。

 目標を達成すれば、岩津ねぎのぽんせんも作れるようになるという。事業が軌道に乗れば、オンラインなどで事業をサポートしながら大学に復学したいとも。

 佐賀さんは「母が倒れなければ、親孝行の機会もなかった。神さまがくれた期間」と、自分に言い聞かせ、覚悟の目をのぞかせた。

 問い合わせは同社TEL079・677・1602

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