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高校生たちに体験談を話す藤本武宏さん=和田山高校
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高校生たちに体験談を話す藤本武宏さん=和田山高校

 自らの精神疾患の経験を生かして、患者の退院などを支援する「ピアサポーター」が実体験を伝える講座が、和田山高校(兵庫県朝来市和田山町枚田岡)であった。双極性障害と診断され、入退院を繰り返した藤本武宏さん(60)が「ささいなことでも相談してもらえれば」と同校2年生約90人に語った。(丸山桃奈)

 藤本さんは、ピアサポーターとして、かるべの郷ドリーム相談所(養父市広谷)に所属。実体験を語る講演会なども行っている。今回は、精神疾患を身近に感じてもらおうと朝来健康福祉事務所が同相談所に声を掛けて企画した。

 講座では自らの経験を紹介した。大学2年の21歳のとき、クラブのアルバイトで、高い月給をもらったことで、「お金が自分にとって大事だ」と勘違い。半年間続けたアルバイトを辞めた後も、夜中心のサイクルが抜けず睡眠を取らない生活が続いた。「ちょっと様子がおかしい」と同級生が実家に連絡を入れ、病院を受診すると、自律神経失調症と診断された。

 半年休暇をとり、大学を辞めて地元の朝来市で就職したが、35歳で再発。クレジットカード1枚でハワイへ行き、2泊3日で約700万円を使った。そのときに初めて入院し、双極性障害を発症した。その後7、8回入退院を繰り返し、最後の再発は50歳ごろ。母親が人工透析を始めると、気持ちがうつ状態になり、「この世から消えてしまいたい」と睡眠薬240錠を飲んだこともあった。

 退院後、保健所に相談し、近くの作業所を紹介してもらった。市役所の職員とも話ができるようになって前向きになった。

 自らの経験を振り返り、「何度も苦しい思いをしたからこそ、自分を変えることができた」。「僕は困ったときに相談できる人や環境をつくれなかった。ささいなことでも、家族などに相談してもらえれば」と藤本さん。「健康が一番。お金もいるけれど、自分の経験で思う。一流会社に就職し、定年を迎えるのも人生。僕みたいに回り回った道を歩んでも人生。生きていることがなにより大切」と生徒らに真っすぐ語った。

 最後に、同事務所の職員が「精神障害は誰にでも起きる可能性がある。生活しづらいと思うのは、周りの環境に左右されるのかもしれない。人ごとではなく、特別な病気でもないと知ってほしい」と述べた。

 男子生徒(17)は「精神疾患になったらどうなるのかと怖いイメージがあった。藤本さんの話で、家族や友人に相談して治療をしていけば、いい方向にいくんだと思った」と話した。

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