あの国民的アイドルグループ「ももいろクローバーZ(ももクロ)」が、わがまち香美町にやってきた! 兵庫県香美町香住区の香住区中央公民館で5月28日にあったライブでは、地元の「モノノフ(ももクロファン)」も「こんな日が来るとは」と狂喜乱舞。演奏の合間には浜上勇人町長もステージに上がり、メンバーや他府県から集まったモノノフを歓迎した。(長谷部崇)
ももクロは、数万人規模のアリーナやスタジアムを満員にしてしまうほどの集客力を誇る一方、地方自治体とタッグを組むライブにも力を入れている。香美町もホール規模で行うライブイベントに応募し、2020年に開催地の一つに選ばれたが、新型コロナウイルス禍でこれまで持ち越しとなっていた。
6作目のアルバム「祝典」を引っ提げた今回のツアーは4年ぶりの全国行脚。但馬の地を踏むのは初めてで、この日は鳥取空港から車で香住入りし、開演前には公民館の研修室で地元メディアの囲み取材に応じた。
但馬の印象について「なんとなく場所は分かっていたんですけど、本当に鳥取県のお隣で『兵庫県って広いんだな』って」と玉井詩織さん(26)。昼食は日本海を一望できる「夕凪の丘」(香住区境)で香住ガニ(ベニズワイガニ)をおなかいっぱい食べたといい、百田夏菜子さん(27)は「海を眺めながらおいしいものをいただいて、ライブ前にとてもすてきな時間を過ごせた」と話した。
ツアーで各地を巡っていると、会場と空港の行ったり来たりで、自分たちがどこにいるのか分からなくなることもあるという。
「せっかく訪れたからにはその場所を楽しみたいし、ライブのトークとかも『この場所を楽しんでるよ』というのを伝えたい。だからその土地のものを食べたり、少しの時間でも道の駅に寄ってお土産を買ったりして楽しんでます。そういうことがライブのパフォーマンスにつながっていくのかなって」(玉井さん)
この日も、差し入れでもらった味付けのりやホタルイカのお土産を早速開封してしまったといい、メンバーは「きょうはお客さんとの距離が近いのでホタルイカのにおいが届くんじゃないか…」と心配していた。
地方でのライブを大切にする理由を尋ねると、「普段味わえない距離感で、一人一人の顔をちゃんと見て、初めましての人もたくさん来てというのがすごくうれしい」と高城れにさん(28)。佐々木彩夏さん(25)は「大きな会場とは違う楽しさがある。私がライブを見に来るんだったら、この会場で見たいなと思います」と笑顔で答えた。
この日は約2時間のライブで17曲を披露。観客は声を出さないなどの感染対策が取られ、浜上町長も海産物や但馬牛など地域の魅力をももクロとPRした。
モノノフの町職員大島拓海さん(25)は「4人の顔がはっきり見えて、歌もダンスも最高でした」と興奮冷めやらぬ様子。「県外の人たちにも、ももクロを通じて香美町の魅力が伝わり、また遊びに来てくれればうれしい」と話した。
