但馬

  • 印刷
築80年ほどの民家で愛犬と戯れるボッゾさん=豊岡市竹野町竹野
拡大
築80年ほどの民家で愛犬と戯れるボッゾさん=豊岡市竹野町竹野
床下に水のタンクを入れ込む作業風景(C)photo by bozzo
拡大
床下に水のタンクを入れ込む作業風景(C)photo by bozzo
井原麗奈さんが地域交流拠点に活用するために改修した離れ=豊岡市山王町
拡大
井原麗奈さんが地域交流拠点に活用するために改修した離れ=豊岡市山王町
改修前の空き家(井原さん提供)
拡大
改修前の空き家(井原さん提供)
移住促進サイト「飛んでるローカル豊岡」内で空き家を紹介するページ
拡大
移住促進サイト「飛んでるローカル豊岡」内で空き家を紹介するページ

 兵庫県豊岡市で移住者による空き家の活用が進んでいる。古民家の良さを残しながらも、独自の空間に改修したり、地域の交流拠点へと再生させたりと、長らく家主が不在だった空き家に、新たな命が吹き込まれている。(石川 翠)

 舞台写真家のボッゾ(本名・森英嗣)さん(53)は、2021年春に東京都から豊岡市竹野町の竹野海岸近くに移住した。築80年ほどの一軒家を取得し、冷暖房機を使用しなくても室温を快適に保つことができる工法を取り入れた「エクセルギーハウス」に改修した。

 エクセルギーハウスは、建築家の黒岩哲彦さんが提唱する省エネ住宅。床下にウオーターベッドのような水タンクを設置し、夏は冷たい井戸水を、冬はお湯をそれぞれ循環させる。壁をかなり分厚くして、魔法瓶のように温度を保つ仕組みだ。ボッゾさんは自然の力を活用する工法に感銘を受け、エクセルギーハウスに改修することを決めた。黒岩さんが設計し、昨年から市内の工務店や地元の大工が手掛け、自身でも塗装などをしている。

 ボッゾさんは、地元の大工から昔の建築事情を聞くなど「古い家を通して、この地域を少しずつ知ることができる」といい、「家の歴史を受け継ぐので、地域の人にも受け入れてもらいやすい」と話す。

 海沿いの一帯では、潮風による建材の劣化を防ぐため、炭化させた杉板「焼き杉板」を壁に横張りした黒い壁面が並ぶ。独特の景観をつくってきたが、高齢化などで板張りや保守が難しくなっているため、自身が体験会を開くなど文化を継承する取り組みも進める。

 芸術文化観光専門職大学(同市山王町)で、アートマネジメントや文化政策を教える助教の井原麗奈さん(42)は、大学近くの古民家に引っ越した。2階建ての母屋で起居しつつ、平屋の離れを地域の交流拠点へと再生させた。

 母屋は「持ち込んだアンティークな家具によく似合う」と柱をそのまま残したり、以前の家主が大事にしたであろう自転車や足踏みミシンなどの品々を修理したりして、今も使い続ける。

 戦後間もないころに建てられた離れは4・5メートル四方の間取りで、補強し直すなど大規模に改修。すでに隣保の会合に使ってもらったこともある。真っ白に塗り替えられた室内で、今後は小さな個展や学生サークルの発表の場などにも活用してもらいたいといい、「学生と地域の人が交流する場になれば」と期待する。

■豊岡市の移住者向けサイト、成約延べ200件超

 豊岡市は、移住・定住者向けのポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」で空き家情報をまとめている。開設した2016年以降、物件の成約件数は延べ200件を超えた。

 掲載物件であれば、同市が改修費用の4分の3を補助(上限100万円)するなどの支援を受けられ、県の補助もある。成約は16年度の9件から、17~21年度は25~49件に拡大。21年度は42件(売買物件33件、賃貸物件9件)と堅調に推移する。

 現在掲載している物件は売買113件、賃貸14件(今年5月25日時点)。サイト内では360度閲覧できる画像で空き家内を詳しく「内覧」できる物件もある。

 移住促進につながっているとみられ、同市の窓口を通して移り住んだ人は20年度で123人(74組)に達し、21年度は114人(71組)だった。また、全国の700以上の自治体や団体が加入する民間の移住支援サイト「スマウト」では、移住者の関心を最も多く集めたとして、豊岡市の人気ランキングは20年度でトップに。21年度も3位をキープしている。

但馬
但馬の最新
もっと見る
 

天気(6月30日)

  • 32℃
  • 26℃
  • 20%

  • 35℃
  • 23℃
  • 20%

  • 34℃
  • 26℃
  • 20%

  • 37℃
  • 25℃
  • 20%

お知らせ