生野中学校(兵庫県朝来市生野町真弓)の2年生14人が10日、国の特別天然記念物オオサンショウウオがすむ同校前の市川で生き物調査をした。餌となるさまざまな水生昆虫の幼虫などを見つけたほか、活動中に見つかったオオサンショウウオを観察した。同校3年生は18日、生野マインホール(同町口銀谷)で開かれる日本オオサンショウウオの会・朝来大会で昨年の取り組みなどを発表する。(小日向務)
同校は昨年から、日本ハンザキ研究所(同町黒川)の協力を得て、オオサンショウウオについて学んでおり、昨年は1、2年生(現2、3年生)が、同研究所スタッフの講演を聴いたり、オオサンショウウオを見学したりした。当時の2年生は学習結果を生野小学校の児童に紹介した。
この日は、同研究所の岡田純理事長と、高木香里研究員が来校した。生徒たちは4班に分かれ、アドバイスを受けながら、たも網を手に市川で生き物を捕獲。トンボの幼虫ヤゴや、魚のヨシノボリなどを次々に捕まえた。その後、水槽に移し、それぞれの生物について、岡田理事長らから説明を受け、川に戻した。
続いて岡田理事長が、調査中に見つかったオオサンショウウオの全長(65センチ)や体重(1・98キロ)を計測したり、個体の動向を把握するためのマイクロチップを打ち込んだりする様子を見学した。女子生徒(14)は「普通の川だと思っていたが、すごい川だということが分かった。大切にしたい」と話していた。
同校では、2、3年生の計33人が川の環境やオオサンショウウオの保護などを訴えるポスターを制作しており、17~19日に開かれる日本オオサンショウウオの会・朝来大会の会場で展示される。同大会の参加募集は締め切っているが、朝来市民は申し込みなしで見学できる。
