兵庫県香美町村岡区口大谷のビニールハウスで、近畿地方では珍しい夏イチゴの収穫が始まった。酸味と甘味のバランスがよく、果肉の断面まで朱が鮮やかな「赤い妖精」という品種で、県内のケーキ店を中心に11月末ごろまで約5トンを出荷する。
スカイバレイスキー場(同区中大谷)を運営する「ユースランド」がオフシーズンの事業として、ビニールハウス7棟で約1万株を育てている。
夏イチゴは、北海道や東北などの寒冷地や高地以外での栽培が難しいとされるが、同社は気温や天候に応じて天井を自動開閉したり、ミストを噴霧したりして室内の温度や湿度を管理している。
夏秋のケーキ用に重宝されており、但馬では同区や同県新温泉町の「創作菓子工房マロニエ」、同県豊岡市の「シュヴァルツヴァルト」、新温泉町の「パティスリールポ」などに出荷。最近は新型コロナウイルスの感染者数の減少に伴い、ウエディングケーキ用の注文も回復傾向にあるという。(長谷部崇)
