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飼育員の佐々木雅大さんの声だけで、「倒立」の技を披露するハマ=城崎マリンワールド
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飼育員の佐々木雅大さんの声だけで、「倒立」の技を披露するハマ=城崎マリンワールド
べー=城崎マリンワールド
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べー=城崎マリンワールド
「いないいなーい」=城崎マリンワールド
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「いないいなーい」=城崎マリンワールド
「ばあ」=城崎マリンワールド
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「ばあ」=城崎マリンワールド

 城崎マリンワールド(兵庫県豊岡市瀬戸)に「日本一言葉が分かるトド」がいる。その名を「ハマ」(雌・12歳)といい、今ではイルカと競うほどの人気だ。トドの多くは飼育員の身ぶり手ぶりと言葉で技を披露するが、ハマはジェスチャーがなくても、言葉だけで技を繰り出す。聞き分けられる言葉の数は増え続けており、レパートリーは50種類に到達した。(丸山桃奈)

 福島県内の水族館で2009年7月21日に誕生。11年6月、城崎マリンワールドに引っ越ししてきた。現在は雄1頭、雌3頭と共同生活を送る。アジやホッケ、イワシなど1日6回に分けて、夏は10キロを、冬は20キロを食べる。身体能力も高く、特技は高速遊泳や倒立、後方宙返りだ。

 当初は、ほかのトドと同じように身ぶり手ぶりの「ハンドサイン」と、言葉の「ボイスサイン」に反応して技を披露していた。「日本一言葉が分かる」と広まったきっかけは14年4月にさかのぼる。トレーナーがハンドサインを省略して、試しに「敬礼」と声だけで指示したところ、前足を額に近づける敬礼のポーズをとったという。

 「言葉が分かる」と判断する基準は、10回の発声であれば、7回以上正しく反応した場合。3年後には21種類を認識できるようになり、城崎マリンワールドが全国海獣技術者研究会で成果を発表した。アシカ科の動物で10種類以上の音声を理解できた例はなく、「日本一言葉が分かる」として周知されるようになった。その後も19年に30種類をマスターし、21年3月には40種類と技のレパートリーを積み重ねていった。

 「好奇心旺盛で、いたずら好きなわがまま娘ですね」。自称「ハマの付き人」の飼育員、佐々木雅大さん(32)はいう。「ポーズに気付いたのは飼育員だが、(自発的に)ポーズをとったのはハマ。活発な性格がそうさせたのかも」と語る。

■一つの訓練で三つの技、一気に習得 飼育員の佐々木さんも驚く異才

 「ハマ、『べー』」。佐々木さんの声に反応し、舌を出す。「ハマ、『いやいや』」には、首を横に振った。ときには「倒立」を「島に行って」と、聞き間違えて技を繰り出すこともあった。「思っていたのと違う動きを返してくれる時が面白いです」と佐々木さん。「一つのトレーニングをしていると、三つの技を繰り出して一気に習得したこともあったんですよ」。

 ほかのトドはボイスサインだけでなく、ハンドサインも必要だ。シュンタ(雄・21歳)もその一頭だったが、ハマに倣って声だけで反応するためのトレーニングを始めた。20種類を認識できるようになったが、その能力でさえも、ハマの異才を超えられなかった。

 偉業はまだ続く。ハマがトドのオンラインイベントを確立したのである。

 新型コロナウイルス禍でショーを開けず、トレーニングに時間を割いていた。その際、佐々木さんがシュンタに敬礼を教えていると、別の場所にいたハマが声に気付いて敬礼をした。「(佐々木さんの)姿が見えていなくてもできた。オンラインでもいける」

 実際、在宅の参加者や入院中の子どもらに発声してもらい、ハマが芸を披露するイベントを開催した。「誰の声でも理解できた。言葉を聞き分けるスペシャリスト」と、佐々木さんはたたえる。

 トドの飼育員になって8年。一番近くでハマの成長を見続けてきた。「トドは太ってる、怖いなどネガティブな印象を持つ人が多かったけれど、ショーを見てても『ハマだ!』と言っていただけるようになった」と胸を張る。

 「僕たち飼育員が教えるよりも、ハマから教えられるものが多いですね」。技の習得を一区切りし、能力を分析していく。7月いっぱいをピークに繁殖期を迎えており、2世の誕生に期待がかかる。ハマのお相手はシュンタ。佐々木さんは「言葉が分かる子でなくてもいいので、ハマとシュンタの子どもを見たい」と願う。

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