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大人1人がやっと通れるほどの狭い場所もある=香美町村岡区八井谷
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大人1人がやっと通れるほどの狭い場所もある=香美町村岡区八井谷
山裾に残る坑道跡=香美町村岡区八井谷
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山裾に残る坑道跡=香美町村岡区八井谷

ぶら下がるコウモリの群れ

 バタバタバタ…! 人の気配を察知したコウモリが顔のすれすれまで飛んできて、思わず「ヒイッ」と声が漏れた。

 道の駅ハチ北の近くに残る「八井谷鉱山」(兵庫県香美町村岡区八井谷)の坑道探検。ハチ北高原の「プチホテルAoitori(アオイトリ)」が、数年前から案内している。

 山裾に掘られた坑道は入ってすぐ三つまたに分かれており、水に漬かっていない左手の1本をライトで照らしながら、奥へ、奥へ。坑内の空気はひんやりと冷たく、ぴちょん、ぴちょん…とむき出しの岩肌から滴が落ちる音がする。

 「これ、何かの動物の骨だと思うんですけど、昔からあるんです」。ガイド役の西谷大我さん(30)が、地面の白い物体を示して言った。途中、トロッコの枕木やレールの跡も残る。約50メートル続く坑道の行き止まりに近づくと、「ここから、子どもたちがキャーキャー喜ぶエリアです」。ライトで先を照らすと、逆さまにぶら下がっていたコウモリの群れが次々と飛び交った。

 「矢田川流域の金属生産遺跡 宝の山と谷」(古川哲男さん著)によると、八井谷鉱山の採掘は1937(昭和12)年ごろに始まり、48年ごろまで続いたという。トロッコで運び出した鉱石は外の田んぼに積み、中瀬鉱山(養父市)までトラックで運んだらしい。地元の元教員井上政信さん(89)は「戦時中だったので、何を掘っていたのか詳細は知らないが、戦後は坑道に遊びに行ってトロッコにも乗った」と話す。

 ツアーは全体で約1時間。坑道の外に出ると、周りの緑がまぶしかった。(長谷部崇)

    ◇

 但馬の夏は暑い。仕事の効率も落ちる。ひとときの涼を求め、気分を一新するアクティビティーに挑戦した。

【メモ】坑道探検は5~11月に実施しており、1人2500円(ドリンク付き)。懐中電灯、ヘルメット、手袋、長靴を貸し出すが、子どもは自分の手袋、長靴の持参が望ましい。できれば長袖で。2日前までに予約する。AoitoriTEL0796・96・0605

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