豚肉や白菜、団子など、食べ物にそっくりな石を集め、皿に載せて展示する企画展「食べ物の石レストラン」が、兵庫県豊岡市赤石の玄武洞ミュージアムで開かれている。色や形の見た目が食材やスイーツに似ている石など220点が来場者を楽しませている。(石川 翠)
学芸員の中嶋灯奈さんが出身の鳥取県で採れる「団子石」を以前から紹介したいと考えていたことがきっかけで企画された。幼い頃から鉱物が好きで、高校時代に地元の石を調べていて団子石を知った。あまりにも似ている見た目にびっくりし、自分でも探しに行ったという。
同県倉吉市で採取され、大山の火山灰の地層から出てくる球状になった「アルミナ」。中心部の黒いあんをもちで包み、外側にきな粉を振りかけたような見た目から、「団子石」や「まんじゅう石」と呼ばれる。白あんを小豆あんで包んだような「あん石」とともに、鳥取県立博物館から借用し、展示した。
玄武洞ミュージアムの通常展示で最も人気がある「方解石」は赤みを帯びており、豚肉にそっくり。ステーキのような形状にピンク色の赤身と白の脂肪が絶妙で、添え野菜のブロッコリーやニンジン、コーンなども全て石だ。台湾の故宮博物院で有名な白菜を模したひすいの彫刻もある。
ユニークなものも多く、薄い石に複数のエビの化石がはっきりと残るのは「えびせんべい」。噴火や土砂崩れなどで海の底に降り積もった土砂などに圧迫されてできたという。
豊岡市内で産出された石もある。神鍋山で見つかった「焼き芋石」は、溶岩が噴き出した瞬間に引き伸ばされ、その後、空気で冷え固まったという。タマネギの皮のように薄くてはがれやすい「玉ねぎ石」や、突起がご飯粒のような「飯(まま)石」もある。
交流サイト(SNS)で事前に募集し、個人が収集した現物やその写真も多く寄せられた。器に入れた「バニラアイス」や、かみ終わったガムにも見える石まで多彩だ。外観はきな粉もちのようだが、中にキラキラと輝く水晶を擁する「ジオード」の破砕体験(有料)もある。
31日まで。午前9時~午後5時。入館料800円(小学生500円、未就学児400円、3歳以下無料)。同ミュージアムTEL0796・23・3821
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