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城崎温泉街で毎年秋に開かれていた「但州湯島の盆」の様子=2019年9月28日
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城崎温泉街で毎年秋に開かれていた「但州湯島の盆」の様子=2019年9月28日
寄付金を手渡す保存会のメンバー=城崎小
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寄付金を手渡す保存会のメンバー=城崎小

 夜の城崎温泉街(兵庫県豊岡市城崎町湯島)を浴衣に編みがさ姿で踊り連ねる「但州湯島の盆」の保存会が、メンバーの高齢化のため解散した。江戸時代から続くとされ、秋の風物詩の一つとして親しまれてきたが、2019年を最後に、新型コロナウイルス禍で2年連続の中止に。今後も継続は困難と判断し、関係者に解散を伝えた。(石川 翠)

 但州湯島の盆は、江戸時代に繁忙期のお盆に帰省できなかった芸者たちが、時期をずらして故郷を思いながら踊ったのが始まりとされる。昭和後期に一度途絶えた踊りを地元の有志が2005年に復活させ、子どもらとともに毎年続けてきた。

 外湯の「地蔵湯」から「一の湯」までの大谿(おおたに)川沿いの約300メートルを、幅広い世代の約100人が流し踊りを披露する。三味線や尺八、胡弓(こきゅう)の生演奏に合わせて優雅でゆったりとした動きが特徴だった。保存会の踊り手や演奏者の多くが80代になり、後継者もいないため、今年7月の会合で解散を決めた。

 保存会の役員4人が、これまで踊りに参加し、練習場所として体育館を貸し出してくれていた城崎小学校や城崎中学校、福祉センターに解散を知らせるとともに、保存会の残金を寄付した。

 地元の日本舞踊家で、踊りやすいように振り付けを施した木瀬和代会長(87)は「最初は難しいかなと思ったけど、子どもたちは一生懸命練習を頑張ってくれ、見る人を楽しませてくれた」と振り返った。

 尺八を担当していた兼松誠二さん(84)は「動きながら演奏することは大変だったのでやむを得ないが、とても残念」。踊り手の山本綾乃さん(75)はそろいのピンク色の浴衣一式を自宅で保管するといい、「自分たちのように、次の世代でやりたいと思ってくれる人が復活してくれるとうれしい」と期待した。

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