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「新・豊岡かよっ!」の稽古に励む出演者ら=豊岡市民プラザ
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「新・豊岡かよっ!」の稽古に励む出演者ら=豊岡市民プラザ

 兵庫県豊岡市を中心に開催される「豊岡演劇祭2022」が15日、開幕する。公式プログラムの一つで、18、19日に豊岡市民プラザ(同市大手町)で上演される「新・豊岡かよっ!」は、市民も出演する演目。豊岡市の旧1市5町が合併する際に新市名を決める場面が中心で、各市町の人たちが腹の中で思っていることをそれぞれ言い合い、「なじりながらも温かみのある」作品だ。出演する市民らは指導を受けながら毎晩稽古に打ち込む。(石川 翠)

 毎年プロと市民が共演する「プラッツ市民演劇プロジェクト」の一環で、演出を担う「南河内万歳一座」座長の劇作家内藤裕敬さんが市民の声や当時の様子を反映して2020年に作り上げた。3回目の上演となる今回は設定を少し変え、パワーアップさせている。

 各市町の担当職員が新市名を話し合う場面を挟みながら、最初は遠慮がちだったそれぞれの出身者役の人たちが、次第にヒートアップして歯にきぬ着せずに思いをぶちまけていく。

 「城崎(の地名)は全国に知れ渡っているから何でもいいわ」と言い放つ「城崎さん」に向かって周囲が「いつも上から目線」と応戦。「人口が少なくて鹿と熊の数に逆転されてるんじゃないの」と言われた「但東さん」が「(京都につながる)トンネルをふさいでやる」と怒る場面も。「他のみんなは掘り当てたのに豊岡には温泉がない」「いつまでも大昔のことを自慢してる出石」などと止まらない。

 地元住民だから言えるような笑いを誘うせりふが次々と出てくるが、稽古は緊張感が漂う。大学生や会社員、公務員などの20~60代の市民が毎晩集まり、間の取り方や細かな動きを確認している。

 本番直前の稽古場では、内藤さんが「せりふを単なる言葉以上にするために、状況や相手の動きを見て、失敗してもいいから大胆になって」と呼びかけ。共演するプロの俳優からもアドバイスを受けながら同じ場面を繰り返していた。

 出演する川口八郎さん(65)は「演劇はお客さんとの対話なので、くすりと笑ってもらえるだけで力になる。喜んでもらえるよう最後まで仲間とともに作り上げたい」と話していた。

 75分。18日午後6時と19日午前11時。チケットは3千円(前売り2500円)、高校生以下無料(予約は必要)。ウェブやフェスティバルセンターと市民プラザの窓口で購入できる。フェスティバルセンターTEL050・5527・7241(午前10時~午後6時)

【特集ページ】豊岡演劇祭

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