たじま高原植物園（兵庫県香美町村岡区和池）のインスタグラム（インスタ）が「神秘的」「癒やされる」と人気だ。昨年採用された女性スタッフが園内の片隅に咲く山野草のかれんな姿を、森の空気感とともに伝えている。（長谷部崇）

　撮影者は、井上鈴奈（りな）さん（２８）。２０２０年の「香美町フォトコンテスト」で最優秀賞に選ばれた写真の腕前を買われ、昨年４月、同植物園を運営する「むらおか振興公社」にパートで採用された。同植物園の交流サイト（ＳＮＳ）を担当している。

　週３日の勤務日は、父親から譲り受けた一眼レフを携え、朝から園内を巡回する。実が赤く色づいたサルトリイバラに、白い小花を穂のように咲かせるサラシナショウマ、赤褐色の花を付けるワレモコウ…。その日撮った中から、厳選の１枚をインスタに投稿している。

　フォロワー数は１年半で倍増し、３千人も目前に迫る。「神秘的な光景」「歩きに行きたいな～！」など、多くのコメントが寄せられる。

　「静かに、かれんに咲く山野草の魅力を引き立てるような撮り方を意識している」と井上さん。写真は独学という。「園内の景色とか、草花の香りとか、風が吹いたときの木々が揺れる音とか。自然に囲まれ、癒やされながら、今の仕事にすごくやりがいを感じています」