昨年10月に無人化されたJR香住駅(兵庫県香美町香住区七日市)の待合室にある壁一面の本棚を、「図書館」として使うプロジェクトが19日から始まる。参加者がえりすぐりの1冊を持ち寄り、駅の利用客に貸し出す試みだ。(長谷部崇)
待合室は昨年8~10月、町が約1400万円かけて改修し、無人駅化の2週間後にオープンした。内装を木目調で統一。窓に面したカウンター(8席)や円卓4台を備え、無料Wi-Fiを利用できる。
目を引くのが、西側の壁一面に設けられた本棚(高さ3メートル、幅4メートル)だが、これまでは一部の棚に子ども向けの本が置かれているだけだった。
使われていない本棚に目を付けたのが、同区で生まれ育ったいとこ同士の若者5人でつくる一般社団法人「HiCO-BAY」。19日に人に薦めたい1冊を持ち寄り、香住駅待合室の本棚に並べるイベントを開催する。
参加者は、本と一緒に飾る「紹介ポップ」と貸し出し時に棚に置く「代本板」を制作する。代本板の側面は黒板になっており、借りた日と返却予定日、借りた人からのメッセージをチョークで書き込めるようにする。返却予定日は自由に設定できる。
「旅行中の人なら、次に香住に訪れる日を書き込んでもらえれば、そこで香住とつながりが生まれる」と同法人の山本修太郎理事(25)=東京都。「ステーション○○プロジェクト」と銘打って町内五つの無人駅の活用を考えていく方針で、「駅の無人化をネガティブな事象としてとらえず、町の人たちでアイデアを出し合い、駅を面白くしていきたい」と話す。
町も当初、利用者にお薦めの本を並べてもらうつもりで本棚を設けたが、実現まで手が回っていなかったといい、町企画課の山下剛志主幹(45)は「待合室の活用の可能性を広げてもらえるのはありがたい。JR山陰線の利用促進にも目を向けてもらうきっかけになれば」と期待する。
19日のイベントは午前11時~午後5時で、JR香住駅集合。定員15人。詳細や申し込みは同法人のホームページで。今後、学校の先生や商店主などにも声をかけて本を増やしていくという。
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