兵庫県北部農業技術センター（朝来市）は、ネギの新品種「兵庫Ｎ－１号」を開発した。白ネギと青ネギの両方の特性を備え、やわらかくて甘みがあり、ネギらしい香りが楽しめるという。来年度から県内全域で試験栽培を始める。（小日向務）

　群馬県特産の白ネギ「下仁田ネギ」と、かつて兵庫県が育成した青ネギ「九条ネギの改良種」を２００５年から交配し、育成してきた。２０年２月、農林水産省に品種登録をしており、来年度には登録が完了する見込みという。県がネギの品種を登録申請したのは初めて。

　収穫は１１月～翌年２月で、白ネギ部分は直径約３センチを超え、青ネギ部分は幅４センチを上回る品種。本年度は朝来市の農家２３人が約２０アールで試験栽培しており、試験販売も始まっている。秋から冬にかけて、ハウス栽培よりもコスト面で有利な露地栽培の品目を増やす狙いがある。

　同センターは「鍋やスープに入れるのはもちろん、青ネギ部分はソテーに、白ネギ部分はボイルしてもおいしい」と説明。将来は県の独自品種として、普及を目指すという。

　県は２３年度から試験栽培を県内全域に広げ、新品種の愛称（商品名）も募集する。認知度を上げ、消費者らに親しんでもらいやすくする。漢字やカタカナ、ひらがなでの表記が条件で、商標登録するため、地名や作物名が入った名称などは対象外となる。

　県農林水産技術総合センターのホームページ（ＨＰ）にある専用サイトか、ＨＰにある用紙に必要事項を記入し、１２月２７日までにメールや郵送、ファクスで応募する。県北部農業技術センターＴＥＬ０７９・６７４・１２３０