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霧雲が消える前は、雲海がどこまでも続いていた=豊岡市出石町伊木
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霧雲が消える前は、雲海がどこまでも続いていた=豊岡市出石町伊木
豊岡市出石町の中心部の上空を覆っていた霧雲が消え、雲海の切れ間からまちなみが見える=豊岡市出石町伊木
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豊岡市出石町の中心部の上空を覆っていた霧雲が消え、雲海の切れ間からまちなみが見える=豊岡市出石町伊木
雲海の切れ間から見える市街地。薄茶色の壁や切妻屋根の建物が多く、出石のまちの特徴が一目で分かる=豊岡市出石町伊木
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雲海の切れ間から見える市街地。薄茶色の壁や切妻屋根の建物が多く、出石のまちの特徴が一目で分かる=豊岡市出石町伊木
来日岳から望む雲海。 朝日が昇り、赤く染まる
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来日岳から望む雲海。 朝日が昇り、赤く染まる
来日岳にトゥクトゥクで登るツアー(たびぞう提供)
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来日岳にトゥクトゥクで登るツアー(たびぞう提供)

 兵庫県朝来市和田山町竹田の竹田城跡に次ぐ新たな雲海のスポットとして、同県豊岡市が注目を集めている。雲海を観光の呼び水にする取り組みも始まった。同市内での雲海スポットを紹介する。(丸山桃奈)

■有子山城跡 雲の穴から出石の町並み

 朝来市によると、雲海は晩秋の明け方から午前8時ごろまでの間に見られ、湿度が高く十分な放射冷却がある▽よく晴れている▽前日の日中と当日の早朝の気温の差が大きい▽風が弱い-などの気象条件が必要という。

 豊岡市の場合、円山川から上がる水蒸気が昼夜の寒暖差で霧になり、先の気象条件がそろうと生じる。同市内で雲海スポットとして名を広めつつあるのが、出石町伊木の有子山城跡(標高321メートル)だ。

 雲海は城跡の周りだけでなく、西の神鍋地域や北西の来日岳まで広がる。11月初旬に訪れた際は、時間の経過とともに、出石町中心部の上空を覆う霧雲だけが消えてなくなった。城跡から見下ろすと、雲海にドーナツ状の穴があき、その先に出石のまちなみを望むことができた。人々の活動で生じた熱気が上昇し、エリア上空の寒暖差が小さくなることで、部分的に霧雲が解消されたのだという。

 同市の第三セクター、出石まちづくり公社は昨年秋から、有子山城跡での雲海の見学ツアーを始めた。一般の住民も「他の地域とは違った光景が見られる」と城跡のPRに力を入れる。

 一方、有志グループ「有子山城跡を登ろう会」は2017年から、毎年11月の「出石お城まつり」に合わせて登城イベントを実施する。新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりとなった今年のイベントには、前回の2倍の約60人が集まり、雲海を見ることができたという。

 地元でも有子山城跡に登ったことのある人は少ないといい、「今まで注目されていなかったが、全国での雲海ブームで徐々に登る人が増えている」と、同会の川見章夫さん。「出石の雲海の認知度は低い」としつつ、「将来は竹田城跡の雲海を望む立雲峡(朝来市)のような場所をつくり、竹田城跡と並ぶ雲海スポットにしたい」と語る。

■来日岳 「トゥクトゥク」のツアー開始へ

 豊岡市城崎町の城崎温泉に近い来日岳(標高567メートル)は、以前から雲海のスポットとして知られるが、交流サイト(SNS)の投稿写真などを通じて知名度が高まりつつある。

 来日岳の雲海を誘客につなげる動きも出てきた。同温泉街を拠点にする旅行会社「たびぞう」は、電動三輪バイク「トゥクトゥク」で来日岳を登るツアーを年明けから始める。

 来日岳は乗用車で頂上に行けるが道幅は狭く、すれ違うのは困難。観光客は、往来の少ない日の出前から頂上に向かうが、慣れない山道を暗闇の中で走る必要がある。

 トゥクトゥクは狭い道でも安心して通行でき、前日に運転の練習をしてから、当日の朝はガイドが先行で案内するという。大林大悟社長は「ツアーは通年で実施し、雲海が見られる春と秋にはより多くの人に体験してほしい」とPRしている。

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