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卵液と具材の入った冷凍状態のパウチと、出来上がった茶わん蒸しを手にする大江貴樹代表=豊岡市内
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卵液と具材の入った冷凍状態のパウチと、出来上がった茶わん蒸しを手にする大江貴樹代表=豊岡市内
冷凍状態の液体とマグカップで蒸した茶わん蒸し=豊岡市内
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冷凍状態の液体とマグカップで蒸した茶わん蒸し=豊岡市内

 兵庫県豊岡市瀬戸の仕出店「とこせん」が、豊岡市産の卵やかまぼこ、同県朝来市産のキクラゲなど但馬の食材を使用した無添加の冷凍茶わん蒸し「トコシェのエグリッチ」の販売を始めた。100年以上地元で親しまれてきた食料品店を4年前に閉店。新型コロナウイルス禍で仕出し業の経営状態も厳しくなったことから、人気だった茶わん蒸しを改良してこだわりの商品に仕上げたという。

 とこせんは1912(大正元)年、代表の大江貴樹(たかき)さん(58)の祖父母が駄菓子店として開店。後に食料品店になり、父母が引き継いだ。特に、2015年に81歳で亡くなった母の美代子さんはアイデアマンで、「中食」が定着する以前の1970年代から総菜の販売を始めた。漁師や農家、個人商店を営む家庭が多い地域柄、女性の家事を支えようと考えていたという。

 多くの女性客の期待に応じてきた美代子さんは、亡くなる直前も、ほとんど意識のない状態の中、総菜の盛り付けをしている時と同じ手の動きをしていたという。

 20歳ごろから店を手伝ってきた貴樹さんが3代目として店を引き継いだが、人口減少や市街地での買いだめなど買い物の傾向が変わり、2019年2月に閉店した。その後も総菜作りは続け、城崎温泉の旅館で働く従業員向けの弁当や、地域の祭り、会合などの仕出し料理を作ってきたが、コロナ禍で旅館の休業や行事の中止などから注文が激減してしまったという。

 IT企業を定年退職した兄の雅彦さん(63)=三重県=とともに、国の事業再構築補助金を活用して冷凍商品の開発に挑戦することにした。

 新商品の冷凍茶わん蒸しは、素材を厳選し、同店近くの「二方蒲鉾(かまぼこ)」のかまぼこや、豊岡産の卵と鶏肉、朝来市のキノコ農園の「雲海キクラゲ」を使用。化学調味料や保存料は使わず、だしの効いたまろやかな味に、大きなエビやキクラゲの食感が特徴だ。

 卵液と具材の入ったパウチを水やぬるま湯で解凍し、マグカップなどに移した後、アルミホイルやラップでふたをし、湯を張った鍋で10分ほど蒸すと出来上がり。体が温まり、キャンプに持っていくのもお勧めという。

 貴樹さんは「母親が総菜に込めた思いも引き継いでいきたい。忙しい女性や若い世代にも手に取ってほしい」と話している。

 1個220グラム。6個入り2900円(送料別)。「トコシェのエグリッチ」のサイトか電話で購入できる。とこせんTEL0796・28・2048

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