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スマホで3D画像を撮影する久間英樹教授(右)ら=史跡・生野銀山
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スマホで3D画像を撮影する久間英樹教授(右)ら=史跡・生野銀山

 兵庫県朝来市生野町小野の史跡・生野銀山で、松江工業高等専門学校(松江市)の久間英樹教授(60)がスマートフォンを使って坑道内を3D画像で調査、記録する実証実験をした。これまで数百万円の専用機械を使ってレーザー測量をしてきたが、同じ機能を搭載した市販のスマホが登場しており、若手の研究者らがより手軽に調査ができるよう、使い勝手などを確認した。

 久間教授は、全国的にも数が少ない坑道の研究者で、専門はロボット工学。ロボットなどを使って坑道内部の形状を計測、分析する一方、古文書などの資料も調べて、当時の掘削方法などを研究している。明治期以降は詳細な記録が残っており、久間教授の研究対象は江戸時代前期の坑道が中心という。

 レーザー測量による3D画像は白黒だが、搭載したスマホはカメラ機能を使ってカラーで記録できる。もともと3D画像は自由に回転させることができ、写真や映像などよりも坑道内や物体を分かりやすく再現できるという。

 久間教授は、松江高専生1人と兵庫県内の若手研究者2人らとともに生野銀山を訪問した。室町時代末期に発見されたとされる生野銀山内の露天掘りの跡や、周辺をスマホの機能で撮影した。記録したデータは専用機械のものに比べても、大きな誤差はなかったといい、「カラーで記録できるため、鉱脈がきれいに分かる」と高く評価。スマホの利用を含めた生野銀山での調査結果を論文にまとめて発表する予定という。

 久間教授は3月に退官予定だが、その後も研究を続ける予定で、「生野銀山や多田銀銅山(猪名川町)、佐渡島の金山(新潟県)などの関係も調べたい」と話している。

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