兵庫県養父市は、全国公開中の俳優・木村拓哉さんの主演映画「レジェンド＆バタフライ」の上映会を、２５、２６日の２日間限定で同市八鹿町八鹿のやぶ市民交流広場で開く。２０２１年秋に市内の杉ヶ沢高原で撮影が行われ、地元協力への感謝も込めて特別に実施される。ロケでは木村さんが演じる織田信長と、綾瀬はるかさんが演じる妻の濃姫が狩りをするシーンを収録。住民らは「映画館のないまちで見られることはありがたい」と楽しみにしている。

　本作は、東映の創立７０周年を記念した時代劇大作として制作された。信長と濃姫が生きた乱世の激動の３０年を描く。主演２人を、北大路欣也さん、斎藤工さん、伊藤英明さん、中谷美紀さんらが脇を固める。公開中の本作を自治体主催で上映するのは全国初という。

　同市でのロケは２１年１０月、準備を含め３日間にわたって行われた。ロケ隊のスタッフ、キャストら約２００人が訪れた。撮影時は寒く、ロケ地周辺で栽培する市特産の「轟大根」を使った大根汁などを提供し、喜ばれたという。

　また、廃校舎を活用した交流施設、であいの里（同市出合）は着替えやメイクの控室に使われた。施設内には食品加工場があり、よもぎ餅やとち餅などをスタッフら１５０人に供した。その後、地元には「おもち、本当に美味しかったです。また食べに行きたいです」などと記した綾瀬さんのお礼の色紙が届いたという。

　ロケ支援に奔走した市の担当者は「撮影に合わせてススキを刈ったが、イメージが違うと言われ、急きょ、周辺のススキを持ってきて植え直したハプニングもあった。試写会で見たが、杉ヶ沢高原の狩りのシーンを見たときは感慨深かった」と振り返る。

　上映会は両日とも、午前９時半からと午後２時から。各回完全入れ替え制。インターネット（https://p-ticket.jp/yabu）上か、市内各地域の公民館と地域局で申し込む。

　一般１９００円▽大学生１５００円▽６０歳以上１２００円▽小人（３歳以上、小中高生）千円▽障がい者（付き添い１人のみ同額で購入可）千円。問い合わせは八鹿公民館ＴＥＬ０７９・６６２・００７０