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月星亭をオープンさせた足立泰司さん=朝来市山東町迫間
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月星亭をオープンさせた足立泰司さん=朝来市山東町迫間
周辺の景色に合わせて改修した建物=朝来市山東町迫間
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周辺の景色に合わせて改修した建物=朝来市山東町迫間
室外の庭園も楽しめるいろり付きの部屋=朝来市山東町迫間
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室外の庭園も楽しめるいろり付きの部屋=朝来市山東町迫間
自家製の野菜などをふんだんに使った「おまかせランチ」=朝来市山東町迫間
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自家製の野菜などをふんだんに使った「おまかせランチ」=朝来市山東町迫間

 兵庫県朝来市山東町迫間の山中で、江戸期の古民家を改装した一棟貸しの旅館と食堂「雲海の宿・月星亭」がオープンした。東京で造園会社を経営していた男性がUターンし、5年間かけて古民家を改修、庭園を整備した。周囲の景観に融合した宿と自ら育てた野菜などを使った料理を売り物とする施設を完成させた。

■戻るつもりなかったが、景色の美しさに衝撃

 男性は足立泰司さん(69)で同市和田山町生まれ。名古屋市の大学などを経て、東京で造園会社を経営し、全国展開する旅館の庭なども手がけた。「朝来に戻るつもりはなかった」というが、親戚の家に近いこの場所の景色を見て、美しさに衝撃を受けた。

 斜面の先に広がる山並み、周辺の森や農地…。「この環境や風景を次世代に引き継ぎたい」と考えたが、農地などは放置され、長く空き家だった古民家も傷みが激しかった。高所に上ることも多い造園業に年齢的な不安も感じていた。5年前に家と周辺の農地や山など約5万平方メートルを購入。自社を清算する作業の傍ら、朝来に通った。

■10度以上の傾き、ジャッキで修正

 木造平屋の約150平方メートルで、屋根はかやぶきの上にトタン張り。10度以上傾いていたため、まずジャッキで持ち上げて傾きを修正した。雑草が茂っていた農地も重機などを使って耕し、さまざまな野菜や稲などを植えた。造園の技術も生かし、石垣なども修復。庭には石を運び込み、コケで覆って雰囲気を演出した。

 建物は廃材などを利用。長い時間を経ているように見せるため、柱やはりなどに墨を塗った。構造的な部分は業者に任せたが、風情のある古い障子やガラス戸などを持ち込み、それらに合わせて開口部の柱などの位置を調整してもらった。野菜などを育てる一方、昨年は狩猟免許も取得。シカなどのジビエ(野生鳥獣の肉)もメニューに加えている。

 「自分で作った米を炊いて、野菜を煮て食べる。それは最高のぜいたく」と話す。1日20食限定の「おまかせランチ」(1480円)は、シイタケや大根、サトイモなど自家栽培の野菜の煮物、切り干し大根、ムカゴの炊き込みご飯、漬けものなどにうどんが付く。牛や豚、鶏、イノシシ、シカの焼き肉ランチ(2480円)などもある。

■いろり付きの居間、五右衛門風呂や露天風呂も

 一方、宿は、寝室2室やいろり付きの居間などがあり、五右衛門風呂や露天風呂も利用できる。「大幅に改修しているが、一体感を維持した。周囲の景観にも合わせており、その魅力を感じてほしい」と話す。利用は8人まで。8人利用の場合、1人1万7735円から。

 月・火曜定休。宿泊、食事とも要予約。雲海の宿・月星亭TEL079・666・8155

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