挙式やイベントなどの企画・演出を手がける「ＣＡＬＡＲＳ」（カラーズ、京都府福知山市）が、休館中の映画館「豊岡劇場」（兵庫県豊岡市元町）の館内で撮影するフォトウエディングプランなどを始めた。担当の佐々木優果さん（２７）は「いつもの光景が特別な思い出の場所になることで、地域への愛着につながれば」と話している。

■屋外の撮影で実感

　佐々木さんは同県西宮市出身で、京都市に本社を置く結婚式場に就職。同県の但馬や丹波地域の式場スタッフをしていた時期もあった。当時、屋外で婚礼カップルを撮影する際、近くを通りがかった高齢の女性が「おめでとう」と声をかけたり、園児たちが「かわいい」と見に来たりすることがあった。「結婚式を通してまちを元気にすることができるのかもしれない」との思いが芽生えたという。

　２０２２年５月、式場を持たず、キャンプ場や日本三景の一つ、天橋立（京都府宮津市）など、新郎新婦の希望する場所で結婚式をプロデュースしているカラーズに転職した。同社は但馬支部を開設し、佐々木さんは但馬地域を中心に担当することになった。

■旧料亭や市場の路地でも

　豊岡劇場は１９２７（昭和２）年に建てられた映画館で、赤いシートの座席や緩やかな曲線の階段などでレトロな雰囲気の写真を撮影できる。

　旧料亭の「とゞ兵」（豊岡市中央町）での和装の撮影プランや屋外でのプランも用意。モデルを起用したイメージ写真は、同市の中心部で撮った。ウエディングドレス姿の新婦とともに写る大開通りや「ふれあい公設市場」の細い路地などの見慣れた景色が、がらりと変わって見える。

　佐々木さんは「結婚式にはいろんな形があり、２人らしさを大事にした思い出づくりをサポートしたい」と話している。

　豊岡劇場でのフォトウエディングプランは休館中（３月２４日までの予定）の特別価格で、衣装代などを含めて９万８千円程度。２組限定。

　カラーズＴＥＬ０７７３・２４・２８２２