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メッセージを書いたタイサンボクの葉と児童たち=大蔵小学校
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メッセージを書いたタイサンボクの葉と児童たち=大蔵小学校

 東日本大震災の発生から11日で丸12年。大蔵小学校(兵庫県朝来市和田山町宮田)の全児童135人が、平和の願いなどを込めたメッセージをタイサンボクの葉に書き、東北の被災地に送った。同校出身の児童文学者、森はなさんの代表作「じろはったん」にちなんだ取り組みで、県内各地などから集められたメッセージ入りの葉は11日、「木の葉の舟流し」として福島県相馬市の海に流される。

 この作品では、知的障害がある主人公のじろはったんが、洋上で戦死した親友をしのび、タイサンボクの葉に手紙をしたためて海に流す場面がある。東日本大震災が発生した2011年の4月、住民団体でつくる大蔵地域自治協議会や、地元の「じろはったんの会」が協力し、児童がメッセージを書いた木の葉舟を被災地に送っていた。

 一方、最近の木の葉の舟流しの発端は、宮城県石巻市の被災男性宅で、「じろはったん」の本だけがきれいな状態で残っていたことだった。森さんにゆかりのある高砂市の「森はな顕彰会」に、本が無傷で見つかったと伝えられたことをきっかけに、同会が6年前から、県内各地の小学校や福祉施設などにメッセージ作成を呼びかけた。以降、大蔵小など県内各地の学校などが毎年、木の葉の舟流しに参加している。

 大蔵小では、じろはったんを通して、優しい心を育む教育などに取り組んでおり、全校集会などで小倉畑祐貴校長が戦争や災害などについて話している。今年2月には、木の葉舟流しの経緯や意義を説明した。朝来市内の顕彰会メンバーからタイサンボクの葉が提供され、子どもたちは総合的な学習の時間などを使って、それぞれメッセージを書き込んだ。

 木の葉には「戦争や災害がなくなりますように」「大きな災害が起きませんように」などと記されている。6年生の女子児童(12)は「みんなが幸せになるよう願いながら、メッセージを書いた」と話していた。

 児童たちがメッセージを書いた葉は、市役所幹部や大蔵地域自治協議会の有志らが書き入れた葉とともに、相馬市に送られた。

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