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全但バスの社員らに向けて、企画した旅行プランを発表する学生たち=全但バス本社
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全但バスの社員らに向けて、企画した旅行プランを発表する学生たち=全但バス本社
登日幸治但馬県民局長(中央、奥)に周遊モデルコース案を示す学生ら=県豊岡総合庁舎
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登日幸治但馬県民局長(中央、奥)に周遊モデルコース案を示す学生ら=県豊岡総合庁舎

 大学生と社会人らの大学院生が、兵庫県の但馬地域を走る鉄道とバスの利用促進を図るため、散策コースとツアー商品を独自に考案した。学生らは地域資源を活用しながら、来訪者のニーズに即したアイデアを提案。官民が今後、具体的な活用や商品化を検討する。

■専門職大と武庫川女子大生 4案を全但バスに提案

 芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)と武庫川女子大学(同県西宮市)の学生が、但馬地域を巡るバスのツアー商品を考案し、全但バス(同県養父市)に提案した。写真映えや卒業旅行などのテーマ性を持たせ、学生ならではの発想で四つの案を社員に説明。同社は今後、提示された商品プランを改良して販売を目指す。

 同社と専門職大は2021年に連携協定を締結。学生は今年2月末から10日間、同社での実習で、但馬地域の観光とバスツアーについて学んできた。

 ツアー商品づくりには、専門職大教授らの人脈でつながりがある武庫川女子大の学生も参加。コンセプトの設定や費用計算、訪問予定の施設との交渉も学生が担った。

 商品案の発表会は3日、同社の本社であった。専門職大は同大を志望する高校生をターゲットに、在学生が添乗員となって豊岡や出石などを巡る案と、大学を卒業後にインスタントカメラを持って思い出の地をタクシーで巡る案を考えた。

 武庫川女子大は、農業やパラグライダーの体験ツアーと、桜や紅葉の下でのヨガ体験でリフレッシュできる案を提案した。社員からは「ストーリー性があっていい」「ほかのパック旅行との違いは?」などの意見が寄せられた。

 専門職大2年の佐藤鈴佳さん(21)は「ツアー中に訪問予定の施設と交渉するのが難しかった。思い入れのある企画なので、さらに内容を磨き上げたい」と話した。(吉田みなみ)

    ◇    ◇

■県立大院生は鉄道使った3コース考案 県民局に提出

 県立大学大学院地域資源マネジメント研究科(豊岡市祥雲寺)の学生が、鉄道を利用した山陰海岸ジオパークの周遊モデルコースを作った。学生代表が但馬県民局を訪れ、登日幸治局長にコースの地図を提出。今後の活用に向けて意見を交わした。

 モデルコースづくりは、同大学院で毎年開講される「地質資源とジオパーク論」の一環。これまで同県香美町村岡区の板仕野地区、豊岡市の出石城下町、同県新温泉町の居組地区などでコースや地図づくりを検討している。

 学生たちは2022年度、ローカル線の赤字問題に注目。鉄道で但馬地域を訪れた際、ジオパークをどのように楽しめるかという視点でコースを検討した。社会人学生6人と20代の学生4人がそれぞれ別班で現地調査し、香美町内などのモデルコース2案を作った。

 社会人学生は、餘部駅を拠点に、体力がある人は同町香住区の鎧地区までのトレッキングを楽しみ、自信がない人は同駅周辺とJR浜坂駅周辺を散策する2コースを設定。若い学生は全員が但馬地域外の出身で、「日本海の絶景を見ずに帰る人がいるのはもったいない」と、佐津駅からリアス海岸や砂浜を見てもらうコースにした。

 白井あやかさん(23)は「最初にきれいな風景を見てもらった後でジオパークについて学べば、次にどこへ行きたいかを検討してもらえるのではないか」と説明する。

 コース案を受け取った登日局長はローカル線の赤字問題に触れ「ジオパークとの組み合わせも大きな要素」とし、「どんな旅行が好まれるのかを考えると、マニアの人はどんなに遠くても足を運んでくれるようだ。皆さんの専門分野を生かし、マニアや穴場を探して歩くような人に響くようなコースも検討してほしい」と呼びかけた。(阿部江利)

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