但馬牛(うし)を飼育する田中畜産(兵庫県香美町村岡区)のユーチューブチャンネル「田中畜産の和牛チャンネル」が、登録者数5万人を超える人気ぶりだ。代表の田中一馬さん(44)が、牛飼いのリアルな日常や畜産の世界の奥深さを発信している。(長谷部崇)
田中さんは三田市出身。北海道の酪農学園大学で学んだ後、村岡区の畜産農家で2年の研修を受け、2002年に独立した。子牛を産ませて販売する「繁殖農家」をメインに、一部の子牛は40カ月齢まで肥育。自社加工場での食肉加工やオンラインショップを通じた精肉販売も手がける。
約15年前にブログを開設し、各種交流サイト(SNS)で情報発信してきた田中さんがユーチューブのアカウントを開設したのは11年。肉を買ってくれる顧客向けに、出荷前の生きた姿を伝えようと始めたという。
「文章でも自分の思いは伝わるが、映像の方が情報量が圧倒的に多い」と、3年ほど前から動画の発信に力を入れるように。チャンネル登録者数が千人を突破したのは20年1月だったが、その後の新型コロナウイルス流行に伴う外出自粛で、登録者数や再生回数が一気に跳ね上がったという。
これまでに約560本の動画を投稿し、総再生回数は3千万回を超える。田中さんは牛の蹄(ひづめ)を削る「削蹄(さくてい)師」でもあり、蹄を削って形を整える動画は視覚的な心地よさが癖になる人気シリーズ。昨年7月に公開した「【削蹄】5年モノの蹄を切りました」は、595万回再生された。
「育児放棄した親牛が子牛を受け入れてくれるまで」と題した動画は、母牛に毎回蹴られる子牛の哺乳を田中さんがサポート。母牛の肩の下に自分の脚を入れ、子牛を蹴ろうとする母牛の背中を「ポン」とたたくことで「母牛の意識を分散させ、蹴ることを防ぐことができる」と解説する。さらに母牛の前脚1本を持ち上げると、ほかの脚3本に体重がかかって蹴ることができなくなるという。
「蹴りまくる牛とガチ勝負しました」と題した動画は、足癖の悪い牛の後ろ脚をつかんで蹄を削ろうと体一つで挑戦。「牛にお灸(きゅう)をしました」では、放牧場で脚を捻挫した出産前の牛に灸治療を施し、「牛のいたずらで牛舎が大惨事になりました」では、水浸しになった牛舎を家族総出で掃除する。
「コメントが何千件と来てもピンとこないけど、業界での認知度がめちゃくちゃ上がったのは実感します」と田中さん。昨年10月、鹿児島県で開かれた品評会「全国和牛能力共進会」の撮影に行った際も、「いつも見てます」「写真撮ってください」とあちこちで声をかけられたという。
田中さんは「畜産の世界はやればやるほど奥深く、自分で面白いと思ったことを分かりやすく伝えれば、子どもが見ても、プロが見ても『牛飼いって面白い』と思ってくれるはず」と話している。
【「田中畜産の和牛チャンネル」の動画タイトルの例※かっこ内は再生回数】
・育児放棄した親牛が子牛を受け入れてくれるまで(72万回)
・17歳のお婆さん牛を肥育しました(70万回)
・牛の発情期を知ろう!(48万回)
・牛の巨大イボを輪ゴムで取っちゃいました(45万回)
・14日遅れてお産が始まりました(33万回)
・ブラッシングをして欲しい牛のアピールが激しすぎた(16万回)
・畜産農家のモーニングルーティーン(10万回)
・蹴りまくる牛と再戦しました(8.6万回)
・モコモコの牛のブラッシングをしました(8.5万回)
・羊膜が顔にかぶさって子牛が生まれてきました(2.2万回)
■「食べてくれる人のために牛を飼う」 田中さん、出荷前日の動画で思い語る
田中さんは17歳の経産牛「はるか」を肉牛として出荷する前日に撮影した動画で、牛飼いとしての思いを率直に語っている。
◇
僕らは毎日牛の姿を見たり、触ったりして「この牛はどんな子どもを産むのかな」「最終的にはどんなお肉になるのかな」ということを、産まれる時からお肉になる時までずっと考えながら、牛と接しているわけです。
最後、自分が飼ってきた牛のお肉を、肉屋としてカットして全部の部位を試食するんですけど、「あ、やっぱりおいしそうなお肉だね」とか「この部分はもっと味があると思ったけど、案外あっさりしてるな」とか、こういった感覚を持てるのは、牛だからだと思うんです。犬とか猫だったらそんなこと思わない。牛だからそこまで考えるし、そこまで考えた上で愛情を注げる。
牛は(人が)食べるために産まれてきた動物だし、そのために育ててきた動物でもある。だからといって、何の感情もないかといったらそんなことなくて、情もあるし、思いも込めて十何年間ずっと一緒にいたのがこの「はるか」だったりするわけで。でもやっぱり、食べ物としてしっかり見ることができる動物って、僕にとっては牛だなと。牛の存在ってすごい大きいなって思うんですね。そんな関係性を持てる動物って。
産まれたときからお肉になる最後まで関われる動物が牛だと思うし、こうやって関わらせてもらうことや、食べる人のところまでお肉を届けることは、本当にありがたいと思っています。それは牛に対しても、この牛肉を楽しみにしてくれている僕のお客さんに対しても思ってます。
自分が関わってきた牛のお肉を食べてくれた人が喜ぶ言葉や姿を耳にしたり、目にしたりすると、いろんなものがつながってるなと思うわけです。「寿命まで飼ってあげた方がいいんじゃないの」という人もいるんですけど、僕はやっぱり牛飼いとして、食べてくれる人のために牛を飼ってるというのが大前提で、この牛を待っている人につないでいきたい。この牛をいろんな人につないでいくことが仕事だなと思ってます。(要旨)

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