但馬

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豊岡市産ブドウを使った白ワイン「こうのとりわいん」のラベルを手がけた河合美智子さん(右)、成相淑子さん=豊岡市出石町魚屋
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豊岡市産ブドウを使った白ワイン「こうのとりわいん」のラベルを手がけた河合美智子さん(右)、成相淑子さん=豊岡市出石町魚屋
みちかけ葡萄酒店のオリジナル商品「こうのとりわいん」=豊岡市出石町魚屋
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みちかけ葡萄酒店のオリジナル商品「こうのとりわいん」=豊岡市出石町魚屋
みちかけ葡萄酒店の店内。左は成相雅則さん=豊岡市出石町魚屋
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みちかけ葡萄酒店の店内。左は成相雅則さん=豊岡市出石町魚屋

 兵庫県豊岡市出石町魚屋のワイン専門店「みちかけ葡萄(ぶどう)酒店」が今春、同市産のブドウを使った白ワイン「鸛(こうのとり)-こうのとりわいん」を発売した。皮も一緒に発酵させたオレンジ色の仕上がりが特徴で、ラベルの揮毫(きごう)は同市在住の俳優河合美智子さん(54)が担当。背景のアクリル画にはコウノトリや但馬の山並みなどが描かれ、地元の豊かな自然を打ち出した。(阿部江利)

 同店は、芦屋市から出石町に移住した成相雅則さん(61)、淑子さん(56)夫妻が2020年に開いた。広告代理店に勤めていた雅則さんが17年、旅行で出石を訪れた際、散策中に偶然出合った住宅やまちの雰囲気に一目ぼれ。古民家を改装し、「のんびりした場所でワインショップを開きたい」という積年の夢を実現させた。

 自分が「おいしい」と思ったワインをはじめ、約35カ国、550種類前後の商品を並べて住民や観光客らを迎える。店では「この辺りのワインはありますか」と顧客によく尋ねられ、地元産がないと説明した時の残念そうな表情に、2人は「但馬のワイン」が求められていると気付いた。

 但馬地域にはワインの本格的な醸造所がなく、雅則さんと同様、退職後に起業した山梨県のワイナリーに生産を依頼した。ワイン向きの「甲州」と、豊岡市産の「ロザリオ・ビアンコ」を使った白ワインが仕上がった。

 新商品は、皮や種も一緒に発酵させた「オレンジワイン」。淡麗ですっきりしているが、味わいに奥行きがあり、魚介はもちろん、出石名物のそばやしょうゆ、みそなどにも合うという。

 ラベル作りでは、同じ移住者の河合さんに協力を依頼した。脳出血からのリハビリの一環で、筆ペンで書いた短歌を写真投稿サイトで紹介しており、イラストレーターでもある淑子さんがコウノトリや豊岡の風景をアクリル画で描写。河合さんは「鸛」の文字を寄せ、合作で仕上げた。

 18年に移り住んだ河合さんと俳優峯村純一さん(55)夫妻とは、共通の知人の紹介で出会い、移住者同士で親しくなった。

 雅則さんは「脳出血から立ち上がられた河合さん、定年後に新たな挑戦をされたワイナリーと、再出発をした人たちの縁とパワーで仕上がったワイン。多くの人に愛される存在になってほしい」と期待。河合さんも「香りが華やかで、気分が上がります」とPRする。

 750ミリリットル入りで2860円。売り上げの一部をコウノトリの保護活動に寄付する。みちかけ葡萄酒店TEL0796・20・1534(原則水・木曜定休)

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