私費を投じて、生まれ育った新温泉町の「推し活」に取り組む男性がいる。会社員の谷口和磨さん(30)=同町中辻=はこの5年間で、地元をPRする看板やチラシを作り、特製の缶バッジ、かばんなどを手がけてきた。活動に割いた費用は100万円に迫るという。ここまで熱心な行動に駆り立てる古里の魅力は。谷口さんを訪ねた。(斎藤 誉)
養父市から国道9号を鳥取方面に行くと、湯村温泉街(同町湯)を抜けた先に、高さ3メートルの広告板(幅4メートル)が側道に立つ。両面に美しい棚田と山々が連なる写真に、「照来(てらぎ)に寄らな損だでー!!」の文字があしらわれる。谷口さんが2021年、約50万円をかけて制作した。