兵庫県新温泉町南西部に広がる上山高原で、見渡す限りのススキが黄金色の穂を風になびかせている。
NPO法人「上山高原エコミュージアム」が、手つかずだったススキ草原の復元に約20年前から取り組み、春には枯れ草を焼いて芽吹きを促す。上山の山頂(標高946メートル)や周辺の斜面では、近年シカの食害が深刻だが、草原全体の面積は約44ヘクタールまで回復してきたという。
今月下旬から雪が降る頃までススキ約1500束を刈り取り、来夏まで乾燥させた後、かやぶき屋根の修復などを手がける神戸市北区の会社に引き渡す。(長谷部崇)