ひび割れた土壌。農家は少ない水を分け合い、なんとかしのいだ。「助けたくても助けてやれないもどかしさがあった」。ひょうたん農場の須原隆一さん(42)=丹波市市島町下竹田=は、枯れていく稲を見つめていた。
昨夏の丹波市は、国内最高記録を一時的に更新した41.2度を観測。7月から8月にかけてほとんど雨の降らない日が続き、川やダムの水がかれた。
同市は県内一の耕地面積を誇る有数のコメどころ。丹波栗や丹波大納言小豆を代表に、ニンジン、ブルーベリー、薬草などを栽培する。農作物の種類の多さに加え、有機農業の歴史が深いことも魅力だ。しかし、米価高騰や気候変動をきっかけに、農業を取り巻く環境も転換期を迎えている。























