【サンパウロ共同】南米の関税同盟メルコスル(南部共同市場)は16日、ブラジルのリオデジャネイロで外相会合を開き、ノルウェーやスイスなどが加盟する欧州自由貿易連合(EFTA)との自由貿易協定(FTA)に署名した。トランプ米政権の高関税措置で自由貿易体制が揺らぐ中、広域にまたがる貿易圏実現に弾みがついた形だ。

 2017年の正式な交渉開始から約8年を経て今年7月に合意に至った。各国の承認手続き後に発効し、人口計約3億人の自由貿易市場が誕生することになる。

 トランプ政権から50%の追加関税を課せられた議長国ブラジルは、メルコスルを通じて貿易相手の多角化を急ぐ。欧州連合(EU)もメルコスルとのFTA発効に向けた承認手続きを進めており、今後、日本でもメルコスルと交渉を求める声が高まる可能性がある。