連合の春闘を評価する有識者委員会の報告書公表に伴い、東京都内で開かれたシンポジウム=19日午後
 連合の春闘を評価する有識者委員会の報告書公表に伴い、東京都内で開かれたシンポジウム=19日午後

 連合は19日、春闘の第三者評価を目的として設置した有識者委員会の報告書を公表した。春闘で掲げてきた「賃金・経済・物価を安定した巡航軌道に乗せる」との目標について「一定程度は前進している」と評価。一方で、大企業と中小企業の賃上げ格差の是正や労働組合がない職場への波及といった課題を挙げた。

 連合は今春闘で2年連続となる5%台の賃上げを実現。報告書では「賃上げの動きが力強さを増している」と評価した上で、企業規模や地域、年代間などで格差が生じていると指摘した。

 対策として(1)中小企業に対し、持続的な賃上げを組み込んだ経営計画策定を要請する(2)労組がない企業に対しても、賃上げに関する情報発信や相談活動を強化し、影響力を強める-といった提言を示した。

 報告書は「賃金は上がらなくても仕方ない」といった過去の「デフレマインド」から決別し、生活向上が実感できる「未来志向」の要求や交渉スタンスの強化を求めた。