国が2013~15年に生活保護費の基準額を引き下げたのは生存権を保障した憲法に違反するとして、津市や四日市市など三重県4市の受給者が市の減額処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は26日、一審津地裁判決に続き、処分を取り消し、市側の控訴を棄却した。全国29都道府県で同種訴訟が起こされ、最高裁が6月、減額を違法と認める統一判断を示していた。
朝日貴浩裁判長は判決理由で、引き下げの指標に物価変動率のみを使うことについて「専門部会の審議を経ていないなど、合理性を基礎付ける専門的な知見があるとは認められない」と指摘。国の判断に「生活保護法に反し違法だ」と述べた。