キノコ採りのグループがクマに襲われた現場付近に集まる、警察官や消防隊員ら=3日午後、宮城県栗原市
 キノコ採りのグループがクマに襲われた現場付近に集まる、警察官や消防隊員ら=3日午後、宮城県栗原市

 「山に連れてきて悪かった」。70代の4人グループでキノコ採り中にクマに襲われ、女性2人が死亡と行方不明となった、宮城県栗原市の山中。下山して通報したグループの男性が、現場の状況を証言した。

 男性によると、4人は同市内に住む友人同士で、残り3人は女性。過去にも4人で何度か山に出かけたことがあり、この日は、爆竹を鳴らしてから入山した。クマに襲われた2人は見通しの良い場所、通報者の男性と別の女性はやぶの中で、それぞれキノコを探していた。

 倒れている女性を発見した際、血の付いたハンカチが近くに落ちていた。もう1人を捜したが見つからないまま。男性は「クマに引っ張って行かれたのかもしれない」と不安そうな表情を浮かべた。

 現場につながるダム近くの公園には規制線が張られ、警察や報道機関のヘリコプターが上空を慌ただしく飛び交っていた。日没後、捜索を打ち切った警察車両が次々と山中から下りてきた。