【ブリュッセル、東京共同】欧州連合(EU)と、日本など環太平洋連携協定(TPP)加盟国が、自由貿易の維持に向けた連携について本格協議を始めることが17日、分かった。11月にオーストラリアで開かれるTPPの閣僚級会合にEUが初めて参加する。トランプ米政権の関税強化で世界が揺れる中、通商ルールの形成などで協調を深め、保護主義に対抗する。

 複数の日EU当局者が明らかにした。米国の反発で機能不全に陥る世界貿易機関(WTO)の改革推進や、中国による輸出規制が問題となっているレアアース(希土類)など重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化が検討課題となる。自由で公正な経済秩序の重要性を訴え、有志国に連携の輪を広げたい考えだ。

 EUの通商担当閣僚に当たるシェフチョビッチ欧州委員が、オーストラリアのメルボルンで11月に開催される「TPP委員会」に出席する。EUはTPPに加盟する計画はないが、EU当局者は「EUはアジア太平洋地域の経済圏との緊密な協力を追求している」と説明する。