神戸市営地下鉄北神線の谷上駅。市営化から5年が過ぎ、利用は増加傾向にある=神戸市北区
神戸市営地下鉄北神線の谷上駅。市営化から5年が過ぎ、利用は増加傾向にある=神戸市北区

 人口減少が進む神戸市にとって、市内38・1キロを走る市営地下鉄の運営は将来にわたる大きな課題だ。市営化から5年が経過した北神線(谷上-新神戸)は乗客の増加という成果が見えつつある一方、海岸線(三宮・花時計前-新長田)は開業以来の赤字が続く。逆風の中でいかに地下鉄の利便性を維持し、地域活性化にも生かすのか。26日投開票の市長選は、その方策も問われている。(井沢泰斗)

■北神線は優等生

 「結婚して住む場所を選ぶときに、運賃の値下げは大きかった。三宮まで往復千円を超えていたら迷ったと思う」。市営地下鉄北神線の谷上駅(神戸市北区谷上東町)から、徒歩5分の距離に住む会社員福本亮介さん(38)は、市営化の「恩恵」をこう表現した。