【バグダッド共同】ロイター通信は12日、11日投票のイラク国会(定数329)選でスダニ首相の勢力が首位になったと報じた。隣国のイスラム教シーア派大国イランと米国の間で「バランス外交」を訴えるスダニ氏が一定の支持を集めた。今後は次期政権樹立に向けた各勢力間での協議が焦点となりそうだ。

 イラクメディアによると、スダニ氏は演説で新政権の樹立を目指す考えを示した。選挙当局によると、投票率は約56%だった。政治不信から投票率が伸び悩むとの見方が出ていた。慣例で首相はシーア派、国会議長はイスラム教スンニ派、大統領はクルド人と主要ポストを分け合う。

 2003年に始まったイラク戦争後に悪化した治安は回復傾向にある。選挙ではスダニ氏やマリキ元首相の各勢力など人口の約6割を占めるシーア派中心の勢力が主導権を争った。シーア派指導者サドル師派はボイコットした。国会議長を務めたハルブシ氏のスンニ派勢力やクルド民主党も支持を集めたもようだ。