名古屋・西署の掲示板から撤去される主婦殺害事件の情報提供を求めるポスター=11月5日
 名古屋・西署の掲示板から撤去される主婦殺害事件の情報提供を求めるポスター=11月5日

 名古屋市主婦殺害事件では、現場の血痕と容疑者のDNA型が一致し急展開を迎えた。DNAは「究極の個人情報」とも言われ、鑑定は有効な捜査手法として定着したが、運用方法を定めた法律はなく課題も残る。

 DNA型鑑定は1990年代に入り、順次都道府県警で実施されたが、当初の個人識別率は「千人に1・2人」と低かった。栃木県足利市で90年に女児が殺害された足利事件では、鑑定結果を過信し冤罪を生んだ。

 現在精度は565京人に1人にまで向上。広島県福山市で2001年に主婦=当時(35)=が殺害された事件では、別事件で採取した男のDNA型が現場の血痕と一致、21年に男が逮捕された。

 鑑定は科学的な物証として重宝され、全国で年間25万件以上実施。DNA型データは捜査段階で容疑者から採取し、警察が保管するが、運用は法律ではなく国家公安委員会規則で定められる。

 運用目的を犯罪捜査に限定し、対象者の死亡か必要がなくなった時にはデータを抹消する。ただ、無罪確定や不起訴となった人のデータが保管されたままの場合がある。