爆破予告を受けて、地下鉄の台北駅周辺を警戒する警察官=22日、台北市(共同)
 爆破予告を受けて、地下鉄の台北駅周辺を警戒する警察官=22日、台北市(共同)

 【台北共同】台北市中心部で男が通行人らを無差別に襲い3人が死亡した事件から26日で1週間がたった。類似の犯行をにおわせる情報が交流サイト(SNS)などでたびたび流れ、当局は社会不安の拡大を警戒。各地で警備も強化している。

 事件は27歳の容疑者が台北駅や近くの繁華街・中山を移動しながら多数の発煙弾を放ち、刃物で人々を切り付けた。容疑者は商業施設から飛び降りて死亡した。台湾は治安が比較的良いだけに衝撃が広がった。

 警察や現地メディアによると、事件直後から各地で同様の事件を予告する投稿がSNSで相次いだ。一部は警察が摘発した。台北の地下鉄駅では爆破予告があり、22日に警察が出動。25日には列車内で病気の発作で男性が大声を上げた際に乗客らが驚いて逃げ出す騒ぎがあり1人が負傷した。

 中国による情報活動の対策も担う国家安全局は22日「社会の安定を確保する」必要があると強調した。社会が混乱すれば台湾統一を目指す中国に付け入る隙を与えるとの危機感が背景にある。

 襲撃事件の容疑者の動機は分かっていない。