乳幼児の死傷を巡っては急性硬膜下血腫や眼底出血、脳浮腫など頭部の一定の症状から虐待があったとみなす「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」や「虐待による乳幼児頭部外傷(AHT)」の理論を基に立件された被告が、無罪となるケースが相次いでいる。

 日弁連刑事弁護センターの報告書は、捜査機関が医師の意見を過剰に重視し立件したことを問題視し、こうした理論について「科学的・論理的な検討を加えることが必要不可欠だ」と懐疑的な見方を示す。同センターの統計では、2003年3月~22年5月のAHTやSBSが疑われた事件の判決で、64件のうち23件で無罪が出ている。

 最近では、2歳の養女への傷害致死罪などに問われた父親が大阪高裁で「暴行による頭部の損傷を認める証拠はない」として逆転無罪となった事件で、最高裁が今月3日付で検察側の上告を棄却し、無罪が確定した。

 福岡地裁も今月3日、生後11カ月の長女への傷害致死罪に問われた母親について、持病のてんかんにより長女を落下や転倒させた可能性があるとして無罪を言い渡した。