東京地裁
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 福島県楢葉町の小売り電気事業者「福島電力」(破産)の資金1千万円を自身の口座に送金させて着服したとして、業務上横領罪に問われた元社長の男性(51)の差し戻し審判決で、東京地裁は18日、送金を指示されたとする関係者の証言に信用性が認められないなどとして、無罪を言い渡した。差し戻し前の一審判決は有罪としていた。

 関紅亜礼裁判長は、男性の行動記録などを検討すると、送金を指示したとは認められないと指摘。口座に振り込まれた1千万円について、事前に福島電力からの送金であると認識していたとは言い難く「業務上横領の故意があったかは合理的疑いが残る」と判断した。

 男性は福島電力の自称顧問と共謀し2018年4月、株式購入代金に充てる目的で、正式な手続きを経ず経理担当に1千万円を送金させ、横領したとして起訴された。

 公判で無罪を主張したが、差し戻し前の一審は23年7月、懲役2年6月、執行猶予5年の判決を言い渡した。東京高裁は24年4月、経理担当の証言の信用性に疑いが残るなどとして一審判決を破棄し、地裁に審理を差し戻した。