ウシの腱から作った移植用材料を持つ早稲田大の岩崎清隆教授=24日午後、東京都新宿区
 ウシの腱から作った移植用材料を持つ早稲田大の岩崎清隆教授=24日午後、東京都新宿区

 早稲田大や東京女子医大のチームは24日、スポーツなどで起きる膝の靱帯損傷に対し、ウシの腱から細胞を取り除いて作った材料を移植し再生を促す臨床試験(治験)を始めたと発表した。全国6施設で18~44歳の患者、計57人に参加してもらい、効果や安全性を確認する。

 終了は2028年度の見込み。早稲田大発ベンチャーのコアティッシュバイオエンジニアリング(横浜市)が医療機器としての承認取得を目指す。将来的には、野球選手が経験する肘の靱帯断裂や、高齢者に多い肩の腱断裂の治療へ展開できる可能性もあるとした。

 膝関節にある前十字靱帯の損傷にはこれまで、患者の太もも裏の腱や膝の皿の下にある腱を採取して移植し治療していた。だが腱の採取に伴って筋力低下やまひが起きることがあるほか、強度に優れた太い腱が採れない人も多かった。

 早稲田大の岩崎清隆教授らは、太くて強いウシの腱に着目。移植時の拒絶反応を避けるため細胞を洗い流しコラーゲンの骨組み状態にし滅菌、移植用の材料にした。ヒツジへの移植実験では細胞が入り込み、組織が置き換わった。